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躊躇う ページ1



翔吾side





陸「あそこに止まってる黒の車のナンバーをメモしておいて下さい。詳しくはまだ言えないんですけど、…はい、お願いします。」


陸「翔吾、行こう。」




陸さんが警備員の方と会話しているのを横目に
受付の近くの椅子に座って聞いていた。

何の感情も持たない人形みたいに、
ただボーッと一点を見つめていた俺の手を
ぎゅっと強く、優しく握って
スタジオにゆっくりとした足取りで
連れて行ってくれた陸さん。


陸さんの優しさに触れるたびに
自分がどれだけ無力か知らされて、

でもそれと同時に
ずっと苦しかったもやのようなものが
晴れていくような気がして、
重すぎる足枷が取れたような、
そんな感じがする。


スタジオに入ったら、陣さんが
こっちを見て驚いたような顔をした。
その横で山彰さんが怒ったような顔をしていた。




陸「マネージャー、表に車回して!」


「了解」


陸「翔吾、ここで皆んなと居て。ちょっとだけ出てくるね。陣くん、」


陣「っ分かった。翔吾、こっち座っとき」




陸さんが、マネージャーと慌ただしく
また外に出て行った。
どこ行くんだろう、さっきの人のとこ?
そんなわけないか。

なんて、頭の中では冷静になれるのに
その感情を表情に出せなくて
つい、無気力になってしまう。


でも山彰さんの顔見て、
心の底から何かが溢れてきた。
それが何かは分からないけど。

ずっと、言葉にするのを躊躇ってた。
この言葉だけは言っちゃダメだって、
それが俺の信念だからって思ってた。
だけどもう、疲れたから。




翔「〜っやま、しょーさ、ん」


山「…ん?言ってみ、そのまま。」


翔「…った、すけて、!」


山「…だってよ、皆んな聞いたか〜」


北「っ翔吾、頑張ったね!本当よく頑張った!」


海「ッシャー!俺らの番だぞしょーへー!」


浦「やってやろうじゃないの〜!ねぇルイさん!」


瑠「あったりまえよ!!」


健「…しょーご、よく頑張ったね。」




皆んなが沸き立つ姿を見て、
歯止めが効かなくなったように
ポロポロと涙が溢れ出てきた。

山彰さんが柄にも無く頭を撫でてくれて、
健太さんもそのまま俺の側に来てくれて、
改めて良い仲間に恵まれたなぁって思った。

こんなにも、心があったかくなるなんて。







そんな心の中とは裏腹に、
窓から見えた空は不穏な面影を残していた。





後ろ姿→



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まぁむ(プロフ) - わーさん» 素敵なコメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです( ; ; )これからの二人の未来を見守っていてください♡ (2021年11月1日 15時) (レス) id: c6d2895284 (このIDを非表示/違反報告)
わー - 心がギュッとなります。しょうご君と主ちゃんが幸せになりますように。💖更新楽しみに待っています! (2021年10月29日 9時) (レス) @page18 id: 7104af556d (このIDを非表示/違反報告)
ユウコ(プロフ) - 最高。無理しない程度に頑張ってください。できるのを楽しみに待ってます。読んでって笑う。続きが気になります。 (2021年9月5日 22時) (レス) id: a2651f21f1 (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - ユウコさん» 素敵なコメントありがとうございます。これからも頑張ります! (2021年9月5日 12時) (レス) id: b7e42ff26d (このIDを非表示/違反報告)
ユウコ(プロフ) - 読むの待ってます。できるのを楽しみに待ってます。最高すぎて、ハマってます。 (2021年8月29日 18時) (レス) id: a2651f21f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぁむ | 作成日時:2021年8月28日 10時

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