。行方不明の妹【太宰治】

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「あ、着きました。【綾辻探偵事務所】です」

「ふーん。これが…」

探偵事務所の周りには、特務課が買い取っている建造物(ビルディング)が並ぶ

そして目を凝らすと、狙撃班が事務所に銃口を向けている

違反行為をした場合に撃つ為だろう

辻村が扉を開けると、二人よりも少し年上の男性が、ソファに座って、紅茶を飲みながら小説を読んでいた

おそらく綾辻本人だろう

小説のタイトルは【非科学的構造によって起こりうる質量交差犯罪】

辻村には2万年早そうだ

「煩い(うるさい)」

「は？」

「視線が煩い」

「まだ何も言ってないし、誰も貴方なんか見ません！」

「そうか、ならあの狙撃犯をどうにかしたらどうだ」

「それとこれとは訳が違います！」

「焦るなミステリアスな女。…おや、貴方は誰だ？」

ミステリアスな女と言われると、更に怒った辻村

白い顔が赤くなった

何があったのかは本人に聞くべきだ

綾辻に指名されたAは、名を名乗る

「A。特務課異能情報管理・追跡班、総監長。」

「それはそれは。辻村君はお茶でも入れてきたらどうだ？」

「…って、私はメイドじゃないですってば！」

毛を逆立てる猫のように怒る辻村。

だがAが辻村をじっと見つめると、観念したかのようにキッチンに入って行った

何故キッチンがあるのか。それは先生が勝手に自炊していたからだと辻村は言っていた

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