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太宰は浮かんでいた


そこには何もなかった
あるのは左右に分かれた道だけ


どちらにしようか。迷った挙句
太宰は左を選んだ


左の道には、黒い渦が巻いていた
右の道には、光が差していたのに____
何故そっちに行ってしまうの?


ねえ______________兄さん


_:_:___:_:___:_:__:_:_




「ッ………ッはぁッ!ケホッ……がッ…」



太宰は目を覚ました。そしてすぐに起き上がろうとする
直後、足首に激痛。何だ之は…

嗚呼、先程私は撃たれたのだった。と思い返す。肩も痛い…ん?



包帯が巻かれている…いや、いつも巻いているけど。私の包帯じゃない。新しくなっている
一体誰が…




其の時、太宰の横を、ふわりと花の匂いが掠めた
振り返る。そこには…



Aがいた
良く見ると此処は病室であった。かつて坂口が治療していた病室と同じだ
と言う事は…此処は特務科の医務室?







「…A」
「………え」

Aは驚いたように後ろに距離を取った
赤くて美しい目がとても開かれている



「…目が覚めていたのね。気付かなかったわ」




先程鼻を掠めたのは、見舞い用の花をAが持って横を通り過ぎたからだ。彼女の香りと言うのもある気がするが




「…兄さん、落ち着いてるみたいね」
「嗚呼。取り乱すと心を読まれることがよく分かった…何てったって、太宰治の妹だからね」
「妹じゃない!」












Aの叫び声が、ビリビリと病室に響いた
病室は個室だったため、迷惑を掛ける事は無かったが、窓の柵に止まっていた鳥がバサバサと飛んで行った

…静寂





「…妹じゃない?って…」
「ほら、また兄さんは質問で返す。やっぱり私の事なんて、見ていなかったんでしょう?」
「そんな訳無いじゃないか!」
「言い切れる?」






無機質な機械の様な声が、太宰の耳を刺激した。言い切れるか?出来ない。私には、妹の何を語る資格さえない
兄失格だ
…いや、兄ですらないと、Aは云った


Aはガラッと大きな窓を開けて、柵に座った
風で彼女の髪がたなびく。黒髪が揺れた


昼の斜陽が彼女の瞳を照らした。だが、ハイライトが混ざることは無かった


太宰A___異能力『斜陽』



▽→←▽



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設定タグ:文スト , 太宰治 , 異能特務課   
作品ジャンル:アニメ
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桐生永遠(プロフ) - 綾辻先生出てきてるじゃんか........やっぱり君は天才か...口調も先生の性格もわかり易いよ........あと夢主ちゃん可愛すぎかイメ画描いてもいい? (2018年3月10日 12時) (レス) id: 2ae69f9513 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 性格も設定も大好きです!誤字発見したのでお伝えしておきますね。ページ10の銃口が重工になってました (2018年3月8日 16時) (レス) id: d52eddc329 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - とても面白いです!続きが気になります(´˘`*) (2018年3月7日 0時) (レス) id: dae9ff352a (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - 続きが気になります! あと、誤字を発見したのでお知らせ致します。異能特務"課"です。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: c71aa6ab03 (このIDを非表示/違反報告)
乱れ桜(プロフ) - すっごく面白いです!応援してるので更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年3月6日 20時) (レス) id: 4458cd30be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綺羅斗 | 作成日時:2018年3月6日 17時

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