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ふと気配を感じて敦が後ろを振り返ると、重武装をした者が二人、太宰に銃を向けていた
敦はすぐさま太宰を守ろうとするが、太宰が手で遮った
「太宰さん!?」
「敦君、落ち着け。彼らは特務課の人間だ。攻撃するな」
「特務課…?」
特務課、と呼ばれた重武装の二人は、太宰に車に乗るように促した
太宰はその通りに従って車に乗り込む
敦に一言呟いた
「探偵社に伝えてくれ。良いね」ボソ
「…はい」
バタン
車の扉が閉まった。黒い車は、すぐに周りに溶かされて見えなくなっていった
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「国木田さん大変です!太宰さんが異能特務課に攫われました!」
「何だと?」
すぐに探偵社に戻った敦は、ドアを開けるや否や、社内に聞こえるように叫んだ
「会いに行った、ではなくか?」
「重武装をした特務課に、車で…」
「そうか」
しかし国木田は、一向に席を立って探そうとしない
他の社員もそうだ
「…皆さん、太宰さんを助けないんですか!?」
「小僧、太宰は何と言っていた?」
「え…」
国木田の問いに、敦は記憶を再生させる
【探偵社に伝えてくれ、良いね】
「太宰さんは、探偵社に助けてとは言ッてないでしょ?」
「それに、太宰が行動して非があった事は一度もない」
それに続けて谷崎と江戸川も言う
確かに、太宰は【助けて】とは言っていない
「太宰の諸事情だ」
「終わったら電話でもかけてくるさ」
「そうですよね」
僕は書類整理に取り掛かった
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腕に取り付けられた鎖がじゃらりと音を立てる
部屋が薄暗いせいで、影が姿を現さなかった
そこへ二人の男女が入ってきた
「太宰治、元ポートマフィア幹部…か。そそられるな」
「そそられてる場合じゃないです綾辻先生…」
「君たちは…」
鎖に繋がれているのは太宰だった
あの後、政府ビルに連れてこられ、この有様だ
「私は特務課エージェントの辻村深月です」
「俺は探偵の綾辻行人だ。早速だが…」
パァン
部屋に銃声が響いた
太宰の足首からどろりと血が流れ出る
幸い致命傷ではない
弾は辻村の銃口から発していた
「マフィアの情報を吐いてもらおうか」
「ッ………特一級危険異能者か…ッ」
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桐生永遠(プロフ) - 綾辻先生出てきてるじゃんか........やっぱり君は天才か...口調も先生の性格もわかり易いよ........あと夢主ちゃん可愛すぎかイメ画描いてもいい? (2018年3月10日 12時) (レス) id: 2ae69f9513 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 性格も設定も大好きです!誤字発見したのでお伝えしておきますね。ページ10の銃口が重工になってました (2018年3月8日 16時) (レス) id: d52eddc329 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - とても面白いです!続きが気になります(´˘`*) (2018年3月7日 0時) (レス) id: dae9ff352a (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - 続きが気になります! あと、誤字を発見したのでお知らせ致します。異能特務"課"です。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: c71aa6ab03 (このIDを非表示/違反報告)
乱れ桜(プロフ) - すっごく面白いです!応援してるので更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年3月6日 20時) (レス) id: 4458cd30be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺羅斗 | 作成日時:2018年3月6日 17時