。行方不明の妹【太宰治】

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敦side





「よっと…重いな…」




僕は与謝野先生等(など)から頼まれていた食品や機材を買いに出ていた

また黒蜥蜴からの襲撃があり、探偵社はまた周りに謝罪を出す始末である

最も、僕のせいというのもあるのだが…






ドンッ






「す、すいません！」
「…？」





ぼーっとしていたら誰かに当たってしまった…

何か前にもこんなことがあった様な…







「…？ああ。当たってしまったのね。こちらこそ。お怪我は？」
「い、いえ、大丈夫です」





僕が中ってしまったその女性は、黒髪の癖っ毛で紅色の眼

肩まで伸びたその髪は、彼女の美しさを際立てる





ミステリアスな外見

そして何より







「と言うかクライアントはまだ来ないのかしら…溝に嵌って死ねばいいのに」






毒舌腹黒だ





「ああ、ごめんなさいね少年。荷物が落ちてしまって…名前を教えていただいても？」
「な、中島敦です」





一緒に荷物を拾ってくれる彼女の手が止まった

数秒間静止した後、僕の顔をバッと見上げた





「中島敦？武装探偵社かしら」
「そうです。良く分かりましたね！政府の方ですか？」





社員証明章を取り出して、彼女に見せると、彼女の瞳孔は更に開かれた

その女性は荷物を拾い上げ、僕の手に乗せた後、駅の方へ向かって行ってしまった






「あ、あの！」
「………何か？」




「お名前、教えていただいても!?」

「…Aだ」





そう言って彼女は、携帯電話を取り出し、迎えを呼んだ

僕に背を向けて手を振りながら








彼女は




「太宰さんに似すぎている」

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