【男主】絡みついて離れない Level2【影山飛雄】

90話 ページ43

＊国見サイド


『で、話っていうのは、結局、なんなんだ』








公園に着くや否や、綺麗にくるりとターンしてこちらへ振り返ったA。








ほんの少し眉を潜めながらそう言い放った。



本人は、毅然と言い放ち、いつも通りの余裕を保っているつもりなのかもしれない。



だけど、甘い甘い。



後ろで手を結び、何といえば伝わるのかな、体育にときのちょうど休め、の体勢と同じ手をしている。








これをAが、するときは少し怯えているときや強がっているときだ。



まったく、可愛いなあ。









ふわりとした初夏特有の木々の匂いを柔らかく内に秘めた風が俺とAの間通り過ぎた。







「なにって……それは、Aがもう気づいていることだと思うけど？」



『やっぱり英、お前か』








わざとはぐらかせば、瞳に冷たい煌めきを灯しAは綺麗な笑みを零した。






え、これは、





綺麗な笑みを咲かせたまま、ねぇ、とこちらへ歩んでくるA。








まって、理解できない予測できない。



俺の想定外すぎる反応・行動に頭が回らない。








『英って本当に面白いよね。俺を自分の手に堕としたい癖にさ。俺のこと分析とかしちゃって、心理戦で勝とうとして』









歩む足は止めないまま、艶っぽく嗤うA。



こんな予定ではなかった。



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