【男主】絡みついて離れない Level2【影山飛雄】

82話 ページ35

＊清水サイド＊





教室で昼食をとると、虚しさに襲われてご飯の味がしなくなってしまう。



だから、天気が良い日は外でお昼にすると決めている。




今日は天気が良い具合に晴れていたものだから、中庭でお昼をとろうと出てきただけだった。




教室では、特に一緒に食べる友達の類のものなんていなくって。


いつも、校舎内の飲食おkな場所で食べている。




1人。



寂しくなんてなかった。


そんなこと今更過ぎることだし。

気に留めていたら、身が持たなくなってしまう。



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珍しい人を見かけた。


A君の姿を捉えたのは、本当に偶然で。




彼を見た途端。



私の手荒れに気づいて、さりげなく、本当にさりげなく水仕事を代わってくれた優しさとか。


皆に囲まれて、楽しそうに話しているムードメーカー的な面とか。



これは、ごくたまにだけど。



妖しい雰囲気を醸し出している、何かキケンな夜の気配を纏うことがある表情・身体とか。




彼についての、記憶の切れ端が次々に目の前に現れる。




何故だろう。




自分でも、悲しいぐらい胸の鼓動が高まる。




でも。



よく考えるとA君が1人なんて変だ、と思って


人違いかな、という結論に達したんだけど。




やっぱり諦めきれなくて。A君だったなら、お話したいとかいうキモチがあって。









私は話しかけてしまったんだ。

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