75話 ページ28
授業も終わり、教室を喧騒が包み込む。
「Aくーん!私たちとお昼一緒しない?」
「さっきの古典の授業の凄かったよー!」
「ロマンチストなんだね、やだイケメン」
ぐっちーの方へ向かおうと席を立ち上がると、数人の女子達が周りに集まってきた。
『ロマンチストなんかじゃないって。照れるじゃん。
ご飯は先約があるからゴメンね?
また、次良かったら誘ってくれないかな。
急に言われると、
心の準備っていうのがさ、あるじゃん?』
そう困った風に対女子用のスマイルをする。
おちゃらけるようにそう言った後、
こんな可愛い子達から急に誘われちゃったら……、勘違いしちゃうかもよ?
と含み笑いをかます。
そして、リーダー格っぽい女の子の髪をひと掬いし、
うん、やっぱり可愛い子、
と耳元であまさを含んだ声で囁いてやる。
「……っ」
「Aくんリアル王子様なの!?」
「やば、絵になる」
「ただしイケメンに限る」
気づけばギャラリーが出来ていたようなので、騒がしくしちゃってごめんね?と一声かけた。
すると、黄色い声があちこちから上がる。
内心うるさいなあ、と毒づきながらも、ごめんねー、と微笑みながら人混みを掻き分けていく。
やっとのことで、教室を出るとぐっちーからはキラキラとした、蛍からはイライラとした目線を投げかけられる。
『あはは、お騒がせしてごめんなさい、みたいな』
「みたいな、じゃないデショ。あんなブス達ほっとけばイイじゃん」
『ちょっと酷いじゃんか。一応可愛い方らしいよ?俺の好みではないけど』
「Aくんカッコ良かったよ‼本当、王子みたいで」
『そうー?照れちゃうんだけど』
「……確信犯のくせに」
『えー?なんでよー、蛍、機嫌悪りぃの?』
ブツブツと御託を述べる、不機嫌そうな蛍の顔を覗き込む。
上目遣いに覗き込むと、ブワッと赤くなる頬。
え、本当、大丈夫か!?と心配そうに背伸びして額に、ぴとりと手を当てる。
冷え性なものだから、夏でも冷たいと定評がある俺の手は熱さを感知した。
「ちょ、大丈夫だから……‼なんんなの天然なの。理性が(」
後半の方がよく聞き取れなかったが、耳まで赤く染め上げた蛍は、
「やっぱり、体調悪いみたい僕。保健室行ってくるから二人で食べてて」
『え!?俺、ついてくよ』
「いいから……!!ほら、山口、A頼むよ」
「分かったよ、ツッキー!!」
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シノ(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます。そうなんですね!頑張ってください! (2016年1月24日 9時) (レス) id: aae268220b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 二月の二十五日まで待ってます!私も今年から受験生になっていくのでガンバります!!アドバイスなどあったら教えてください! (2016年1月23日 22時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - シノさん» 冬休みですか~!!!!!!!楽しみに待ってます!!!!!!! (2015年12月22日 23時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 紅葉さん» すみません!申し訳ないです…受験生なので更新が少し難しくて……でも、冬休み中ちょこちょこ更新する予定です。もったいない御言葉ありがとうございます。 (2015年12月22日 7時) (レス) id: aae268220b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新停止なんですかっ?面白いのに... (2015年12月22日 2時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シノ | 作成日時:2015年5月22日 18時