72話 ページ25
「先生としては、作者不明のものの方が好きななのよね。共感できるわ。例えば、」
「うち日さす 宮道を人は 満ち行けど わが思ふ君は ただ一人のみ」
「現代語訳は、日がそそぎ輝く宮への道を たくさんの人が行くけれど 私が思うのは たった一人 あなただけ、」
「どんなにたくさんの人がいても、私が好きなのはあなただけ。誰も代わりにはなれない。だからこの思いを受け止めて。って感じかな。先生の好きな万葉のひとつよ」
楽しそうに授業する若い女の先生。
空が綺麗だ。清々しい青色。スッと一筋の線を走らせたような飛行機雲。
それらを見ていると、背筋が洗われる気がする。
先生じゃないけど、結構気に入っているというか、好きな万葉思い出した。
なんだか学校って久しぶりですね。読者の皆さん。
授業が淀みなく進んでいる。まあ、どうってことない。
俺はノートを取らないタイプの人間なんで。パラパラと教科書を捲ったり、先生の話を聞いて(10割これ)、へぇ、ってな感じに真剣に?してる。教科書への書き込み、先生の発言をメモったりはするけど。
教科ごとのメモ帳は必須アイテム。
今は古典だから、純和風な千代紙っぽい表紙
の和紙で作られたメモ帳。
縦約15cm、横約8cm。大きすぎず、小さすぎず、手に丁度馴染むサイズがベスト。
で、家に帰ってから、ノートを作る。
授業の内容は大体覚えてるし黒板もあしからず。黒板の内容自分なりにアレンジしてメモ帳の内容をプラス。
わかりやすいし、先生受けもイイよ。
「あら、影山君。ノートは取らないの」
『いえ、大丈夫です。メモを取っているので』
「そう……、」
訝しげな表情を浮かべる先生。
一応、授業聞いてやってんだから、目付けてくんなっつーの。面倒。教科書目通したし、もう覚えてんだよな、全教科の教科書&資料集。
この人、天才とか認めねータイプかな。いるんだよね、天才を目の上のたんこぶのように妬む奴。先生に。
俺も努力してんだけどね。
「影山君ほど、頭が良いのであればそれでも構いませんよ」
そう言って嬉しそうに笑う先生。
『あはは、やめてくださいよ。恥ずかしいですってば』
違った。逆。正反対。天才をリスペクトしてるタイプ。一目置いてる先生だ。
これは楽だよ。学校生活。
なんてったって、天才に甘いから。
ちょっと、サービスっとこっと。
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シノ(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます。そうなんですね!頑張ってください! (2016年1月24日 9時) (レス) id: aae268220b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 二月の二十五日まで待ってます!私も今年から受験生になっていくのでガンバります!!アドバイスなどあったら教えてください! (2016年1月23日 22時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - シノさん» 冬休みですか~!!!!!!!楽しみに待ってます!!!!!!! (2015年12月22日 23時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 紅葉さん» すみません!申し訳ないです…受験生なので更新が少し難しくて……でも、冬休み中ちょこちょこ更新する予定です。もったいない御言葉ありがとうございます。 (2015年12月22日 7時) (レス) id: aae268220b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新停止なんですかっ?面白いのに... (2015年12月22日 2時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シノ | 作成日時:2015年5月22日 18時