70話 ページ23
久しぶりに俺サイドに戻ったな。
んー、いいわこの感じ。
主人公だぜって感覚。
と、まあメタ発言は終わりにするとして。
及川センパイがどーてーなんて、驚いた。
そんなのどうでもいいじゃん、って一瞬思ってしまったが、流されなくて良かった。
瞳を閉じると、舌舐めずりをする及川センパイの顔がまぶたの裏にはっきりと−−−
『って、駄目!』
今、何で及川センパイなんかのコト思い出すんだ。
もう、俺はトビオの元へ帰っているというのに。
「どうしたA。やっぱ、なんかされたか」
食器を洗い終えたらしく、トビオが俺の座るソファーに近寄ってくる。
別に観ている訳ではないけれど、なんとなく付けっ放しのテレビ。
コマーシャルの賑やかな音楽。
対して、静まり返ったこのリビング。
さすがにこれは、気まずい。
トビオもそう思ったのか、早口に話題を変えてきた。
「そっ、そういえば!日向とやっていけそう、かも。なんだ」
適当に話を変えただけなのに、地味に凄い重大な話をしてしまったということに気づき目をくるくるとさせてしまっている。
『っふ、』
やっぱり、トビオはこうでなくちゃ。
和むなあ。
『俺の見積もり通り、だな』
しかも、日向とのコンビネーションのこと。
うんうんうんうんうん!!!!
俺は、ずっと。
ずっと!!!!
日向を狙っていたし、トビオと絶対こいつを、って思っていたんだから。
上手くいったみたいで、興奮してしまう。
あのクズ野郎の所為で、試合あんまり見れなかったからな。
わかんないんだよね。
そうだ。
それだ。
『今日の試合のこと、教えて?データも取りたいし、一緒にDVDも見よう』
選手の生の声も聞けた方が効率高いし、DVD、トビオも見たいでしょ?
違和感がないように、自然に淀みなくそう続ける。
一瞬、きょとんとしたトビオだが、狙い通り
「おう!!DVD見ながら、話せばいいか?」
『うん。ありがと、トビオ』
そう笑いかけると、トビオは少し照れたように頬を掻き、そっぽを向いた。
ほんと、チョロいなあ、誰も彼も。
トビオだからいいけれど、ね。
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シノ(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます。そうなんですね!頑張ってください! (2016年1月24日 9時) (レス) id: aae268220b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 二月の二十五日まで待ってます!私も今年から受験生になっていくのでガンバります!!アドバイスなどあったら教えてください! (2016年1月23日 22時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - シノさん» 冬休みですか~!!!!!!!楽しみに待ってます!!!!!!! (2015年12月22日 23時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
シノ(プロフ) - 紅葉さん» すみません!申し訳ないです…受験生なので更新が少し難しくて……でも、冬休み中ちょこちょこ更新する予定です。もったいない御言葉ありがとうございます。 (2015年12月22日 7時) (レス) id: aae268220b (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新停止なんですかっ?面白いのに... (2015年12月22日 2時) (レス) id: 5565975227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シノ | 作成日時:2015年5月22日 18時