【男主】絡みついて離れない Level2【影山飛雄】

67話 ページ20

はっ、予防線とはよく言ったものだよ、本当に。




山口にもああ言われてしまったし。




これは、認めない訳にはいかないらしいね。



「今頃、Aは……」



及川サンと一緒か。


ああ、モヤモヤするこの気持ち。



何故だか胸騒ぎがする。




持っていたコップの水を一口飲む。



そして、きちんとコップをサイドテーブルに置いて。




ベッドへと倒れこむ。




ずぶり。





ずぶずぶと、身体が沈み込んで行く錯覚。




深い深い海へと沈んでいる感じ。




なに、ちょっと僕、ポエミー？



ゆっくりとまぶたを閉じ、外部からシャットアウトを試みる。




その試みは、どうやら成功したみたいで。




僕は、底のない睡眠を貪り食う。








・





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ん？



いつの間にこんなところ。



ああ、夢か。



僕を取り囲む環境は、どこか知らない部屋。





全体的に白と黒でまとめられたモノトーンな部屋。



物が少なく、家具はベッドと勉強机(？)、本棚、観葉植物らしきもの、チェストだけ。




本棚には、バレー関連の書籍。ルールブックや効率的なトレーニング本、指導関連のものと選手をサポートする感じのものが多い。


そして、赤本。


有名大学の物がすべて揃っている。



この部屋の主は、随分と頭がよろしいようで。



一冊、赤本を手にとって見る。



もう、一周しているみたいだ。



パラパラとページを捲るが、もやぁと霧が掛かった感じ。




夢だからか、あまり細部がわからない。




そうこうしていると、知らぬ間に隣にいたらしい人物の声がした。




『蛍？どうしたの』


急に黙らないでよ、驚いちゃうじゃんか。



そう可愛らしく小首を傾げる、僕の先程自覚したばかりの想い人・Aが、いた。



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