【男主】絡みついて離れない Level2【影山飛雄】

58話 ページ11

よし、頑張れ俺。


そして、ありがとうございます、澤村キャプテン。




『澤村キャプテンの言う通りです。どういうことか、説明して下さい。』



うーん、そうだなぁと及川センパイは唸る。



唸りに唸ったすえ、この馬鹿は




「好きな人と一緒にお話したい、それじゃあ駄目なの？」



ことりと首を傾げ、そんなことを言いあがった。


なにそのセリフ。


どこぞのギャルゲーだよ。




俺はやったことないけどさ。



ちょっと頼めば、一発ヤらせてくれるエ○ゲーのヒロインなみにチョロい目してんぞ。



どうした及川センパイ。





あいたた、と頭を抱えてしまう。



流石大王様、ぐうの音も出ないです。






どうする、澤村キャプテン。





「それもそうか。じゃ、A。何かあったらすぐ呼べよな」




笑顔でそう言い放った。



って、え？




「なにもないってぇー！あったら及川サンとしては願ったり叶ったりなんだけどね☆」




笑い声がこだまして、何とも言えぬいい感じ――――









――――じゃねぇよ！？





なにいい感じに話まとまっちゃってるんですか。



キャプテンそれはないわ！！



可愛い後輩でしょう！？


守れよ！！


藁にもすがる思いで、周りを見渡すが、みな視線を逸らす。



ちょ、まじでやめて。



トビオとばっちり視線が交差したが、





死期が近い患者に


「もう手遅れです」


と勧告する医師のような表情でゆっくりと首を横に振られた。




え、ほんとやめてよね！？

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