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福「そんならそれ俺洗おか？」
『え、ええよ〜』
福「俺にもなんかさしてや笑
してもらってばっかりやん」
『大晴くんは働き者やなぁ』
と笑ってAが洗ったお皿を拭くことにした。
『なあ、大晴くん』
福「ん？」
『ベース、弾いて』
仕事の合間にも持ち歩いて練習しとるからもちろん持ってきてはいるんやけど。
福「ベース？笑別にええけど」
『ボクブルースが聞きたい』
福「うん、ええよ」
あ、懐かしいなこの感じ
なにわもAぇも結成される前
『大晴くん、ワイパーやって！』
福「ええよ〜、いくで！
ワイパー！！」
目をキラキラさせる姿は変わってないな
『こっち来て』
みんなが寝ているリビングを通り抜け連れられたのはAの部屋。
きちんと片付いていて生活感のある部屋に少し心臓がなったのは気のせいやってことにしとこう。
するとAはピアノのイスを引いた。
ああ、そうや。
小島がよく教わっとったな。Aは昔からピアノ上手やったっけ。
小島が書いて佐野がメロディーをつけた俺たちの大切な曲。
『私この曲、大好きやねん』
福「うん、俺もめっちゃ好き。」
歌い終わったあと嬉しそうに笑ったAがラッピングされた袋を俺に手渡す。
『これ、大したもんちゃうし。だいぶ過ぎてもうてるけど…。
お誕生日おめでとう、大晴くん』
福「えっ！？俺に？！」
そんなこと1ミリも考えてなかったからすっとんきょんな声が出る。
福「えー、待って。めちゃくちゃ嬉しいわ。ほんまにありがとう」
『いえいえ！』
ハロウィンの夜が終わる。
『そろそろみんな起こしに行こか。明日も仕事やろうし』
あ、でもプレゼントのことは内緒にしてな！
と微笑む魔女の悪戯に
今夜だけは時間を戻して。
あの頃のように頭を撫でる。
君はびっくりしたように目を見開いて、
あの時と同じように
泣きそうな顔で笑うんや。
『世界が僕を裏切ったとしても
君は信じてくれるんだろう』
→移行します！
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作者名：りな∞
| 作成日時：2020年10月25日 21時
