・ ページ10
フレッドとジョージが嬉しさを顔いっぱいに現してハリーの背中を力強く叩き
「私たちが優勝よ！」
アンジェリーナの嬉しそうな声が響く
抱き合い、もつれ合い、声をからして叫びながら選手たちが降りてくると
待ってましたと言わんばかりに
真紅の応援団が柵を乗り越えて、波のようにグラウンドになだれこむ
『…っ、』
本当は抱きつきに行きたかった
飛びついて、おめでとうって伝えたかった
だけどみんなに囲まれ、背中をバシバシと叩かれる彼らには近付けない
物理的意味だけじゃなくて
気持ち的にも
チームに入ることは出来ても
この試合を勝ち抜いたのは彼らで
その絆は控えの私には無いもので
肩車をされているハリーを見上げていると
急に誰かにグイッと腕を引かれる
｢やったな！｣
その手の主は、フレッドとジョージだった
『いたっ!?』
双子は私の背中も叩くと
｢俺たちの、勝利だ｣
｢みんなで取った、優勝だ｣
『…っ、』
半泣きになってしまう私の頭をわしゃわしゃと撫でながら
｢Aが繋いで、ハリーが掴み取った
グリフィンドールチームが優勝したんだ｣
『…うん、』
｢Aがクィディッチのメンバーになってくれて良かった｣
ジョージが嬉しそうに
でも、どこか落ち着いた声で目を細めながら言った
｢スリザリンの奴らは卑怯で下劣だし、今も君が危ない目に合うのは怖い。
それでも、観客席で応援してくれてた君が
今は、背中を任せられるチームの一員である事が、嬉しい｣
『…、』
嬉し泣きなのか
なんの涙かは分からない
感極まって、涙が止まらない私に
｢A、俺たちをここに連れてきてくれてありがとう
クィディッチ、好きになってくれて
一緒に頑張ってくれてありがとな｣
フレッドの大きな手が私の頭を撫でる
大好きな人の
大好きな笑顔で
(今なら、守護霊の呪文だって使えちゃうんじゃないかしら)
そんなことを思えるくらい、幸せで
ジョージとフレッドの腕を引き込んで抱きつきながら
この幸せが続くなら、何だっていい
2人がこうして笑っててくれるなら死んだって構わない
そんなことを、ふと思った。
｢俺、今超幸せ｣
空を見上げながら笑うジョージ
『私も、同じこと思ってた』
｢Aも幸せ？｣
『うん、すごく幸せ』
その夜はどう過ごしていたかも覚えていないくらい
はしゃいで、騒いで
優勝の余韻はそれから1週間ほど続いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 385人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな∞(プロフ) - フーセンガムで空飛びたいさん» 大変お待たせしてしまい申し訳ございません🥲これからもお楽しみ頂けるように頑張ります✨ (4月25日 22時) (
レス) id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - にょむさん» 大変お待たせ致しました😭嬉しいお言葉ありがとうございます！ (4月25日 21時) (レス) id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - はーまいさん» 大変お待たせしてしまい申し訳ございません😭別作品までご愛読頂いているなんて嬉しい限りです…！ちまちま更新にはなりますが少しでもお楽しみ頂けますと幸いです！ (4月25日 21時) (レス) @page20 id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
フーセンガムで空飛びたい(プロフ) - 何回読み返しても大好きな作品です！！作者様のペースで､この作品も更新してくださると嬉しいです！！いつまでも応援してます！！！ (4月21日 20時) (レス) id: 79a4119615 (このIDを非表示/違反報告)
にょむ - 長編で内容も細かくてこの小説の設定など全部が好きです。見た小説の中で上位に入るぐらいです。作者さんのペースでずっと待ちます👍これからも頑張ってください！ (3月11日 23時) (レス) id: 8d0ed58d61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りな∞
| 作成日時：2024年1月29日 3時
