検索窓
今日:137 hit、昨日:128 hit、合計:98,023 hit

ページ50

「ハッ!
相変わらず面白いくらいの自信だな!」


何食わぬ顔で飄々と構えている王者の余裕


「取るに足らないプライド
確かにね」


顔を合わせて目を見据える

「聞けよ、牛島

俺は自分の選択が間違いだと思ったことは1度もないし
俺のバレーは何一つ終わっていない」


「……」


「“取るに足らない”このプライド
絶対に覚えておけよ」


牛島はどこか曖昧な表情を浮かべているけど

そんなのは関係ない


「あぁ、それとね。俺ばっか注視してると思ってもない方向からブッスリ刺されるからね」

「どういう意味だ?」


「俺の後輩、頭悪いしまだぜーんぜん俺に敵わないけど
それでも独りでなくなったアイツは強いよ

…烏は群れで大きな白鷲さえ殺すかもね」


黙っているAちゃんに目を向ける


「こっちも譲る気ないから」


「?」


意味なんて教えてやらない


あいつが自分の気持ちに気付くまで、待っててやるつもりなんてない


「Aちゃん。次、俺のバレーを見せる時は
最高にカッコイイ姿見せて、惚れさせてみせるよ」


『?及川さんはいつもカッコイイです』


「は、」

想定外の答えに思わず声が漏れる

『及川さんはずっとかっこいいです』

「…あ、そう」



『でも、今日が今までで1番カッコよかったです』


頭は悪くないくせに、天然なところも

牛島とそっくりでイライラする


「また宮城に来るなら俺にも連絡してよ。ご飯でも行こ」


『はい、岩泉さんとみんなで__』

・・・


「おせーぞ及川
人呼んで来るとか言っときながら最後とかふざけてんのか」


「ごめんって」


バスに乗り込むと、続く小言もなく岩ちゃんは口を閉じた

いつもと違うその光景に

改めて終わったんだなぁと思う


「今日ほんっとついてない」

「あ?」

「試合前から飛雄とAちゃんに会うし
烏野に負けるし

帰りには牛若野郎にも会うし」



「…の割になんでニヤけた顔してんだよ」

「だってみてよ、この絆創膏。ダサすぎない?」

肘にはられたピンクの絆創膏に思わず笑みが零れる


「…Aのこと利用しようとしてたのか?」

「まさか。純愛だよ」


「さすがのお前でも承知しねえぞ」


「本当だよ。好きになりたくなかったから、セーブしてただけ」


「…?」


Aちゃん、君の勘はまた半分正解だ


俺が君に声をかけたのは


ただ、素直に君に惹かれたから


これ以上本気になってしまわないように
自分に言い聞かせて



本音を隠して、愛を紡いだ

この小説の続きへ→←【及川徹は天才ではない】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
298人がお気に入り
設定タグ:北信介 , 宮侑 , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りな∞(プロフ) - あめみやさん» おはよう靴下は宮城と1部東北?地方特有らしいです😳穴あき靴下って言うより可愛いですよね💓 (3月4日 18時) (レス) id: 77d3b1abb5 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - おはよう靴下ってもしかして全国共通じゃないんですか……? (3月4日 11時) (レス) @page32 id: c8e075c880 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りな∞ | 作成日時:2023年12月13日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。