淡雪が溶ける頃3【HQ】/稲荷崎

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〜No side

「Aっ」

『飛雄。久しぶり』


「おう

それで、その
おばさんとはあったのか？」


『会ってないよ』


「…そうか、」




『そんなことより。試合、勝ってよ』


「！負けねぇ」


春高県代表決定戦


「及川さんに、負けっぱなしじゃいられねえから」


烏野と青葉城西


『応援してるよ』


「さんきゅ、」



“春高で、烏野と稲荷崎として会おう”


「約束は守る」






「あっれー？Aちゃんじゃない!?」


ひょうきんな声に影山はげ、と顔を顰める


「…及川さん」


「まさか遠路はるばる及川さんのこと見に来てくれたのー？」


「んなわけねぇだろクソボケが」


ウインクをキメる及川を容赦なくはたく岩泉と
その後ろには冷めた目で主将を見つめる青城メンバー


「よぉ、久しぶりだな。A」

「お久しぶりです」


「稲荷崎でマネージャーやってるんだってな」


『はい』


「そうだよ！及川さんになんの相談もなしに！
引越しだって知らなかったんだからね!?」


「なんでお前に相談がいるんだよ
赤の他人だろうが」



「そんなことないし！俺達とーっても仲良しだったんだからね！」


「本当か？A」


『そうでしたか？』


「ほら見ろ」



「昔っから、岩ちゃんとAちゃんだけは俺に振り向いてくれないんだよ〜」


「俺を巻き込むな」

岩泉がウンザリ顔で眉をひそめる


『及川さん、私の事別に好きじゃないですよね？』



「はいぃ？」


(いやいやいやいや！)


あれだけ毎日
「Aちゃん今日も可愛いね！」
「Aちゃん俺と付き合わない？」
「試合見に来てよ！」
としつこく求愛されていたのに


と元北一メンバーが心の中で総ツッコミをいれる
(南、影山を除く)



「ちょっと、Aさん？それは鈍感にも程が…」


及川が泣き真似をすると


『及川さんは、私が好きだった訳じゃなくて

飛雄の好きな幼なじみの私を手に入れたかっただけですよね？』

南の言葉に場は固まり

影山は目を見開く


「鈍感どころか、全部見抜かれてんじゃねーかよクソ及川」


「痛い！」


「ったく。試合前に余計なこと喋ってんじゃねーぞ」

岩泉は及川の頭を鷲掴みし


「悪かったな。影山、A」


「…いえ、」


「でも試合では負けねぇ」


「俺達も負けません」


「Aも青城のバレー、しっかり目に焼き付けとけよ」


『、はい』



「それと
たまにこっち帰ってくるなら連絡くらいしろよ」


『はい！』

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