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ページ33

「なぁ、サム」


「なんや、ツム」


「俺な、一生この夏が終わらんかったらええのにって思うねん」



透明なグラスの中で溶けた氷がカランと音を立てる


「せやな、俺もや」


「俺らの夏はまだ終わってへん、そうやろ?」


「…ツムの言う通りや」






『…課題終わった?』


「「……」」



『じゃあ茶番、終わった?』



「「……」」


倫はノートで顔を隠しながら笑い
銀は銀でほれみたことか、と呆れ顔



「でも、Aちゃん!
夏休みはまだあと1週間もあんねんで?」


「そうやそうや
夏休みの課題と言えば、スイカ、かき氷に並ぶ夏の風物詩やんか」

※違います


「てことは、課題を終わらしてもうたら俺らの夏が終わってまうってことやんか!?」


「俺らは、この夏を置き去りになんか出来へん!」



『…夏を置き去りにする前に、自分達が置き去りにされるつもり?』


「「…へ」」


『休み明けはテストって知ってるよね?
最終日に課題終わらせるだけで何とかなると思ってる?
留年するつもり?』



「あーあー、スイッチ入った」
「ちょ、角名。撮ってんのバレたら怒られるで」



「…いや、その」
「それはこっから…」




『来年の夏はこの勉強会にも参加せず、理石君たちと修学旅行に行くのね?』


「「はぅ…」」




『私たち、先に卒業するから』



「「Aさまぁぁ」」


まだ湿度の高い暑さを残す9月の初め

3年生と過ごす最後の夏が終わった




・・・


「四季っていうのに秋のターン短ない?」


眉をひそめた侑が呟く

(…ドロー?)


「A、くだらないこと言うのやめてね」


『言わないし』




「ついこの間までまだまだ暑いって話しとったのに、気付いたら日ぃ落ちるんはやなったもんな」



「でも俺ら意外と秋満喫せえへんかった?」

「したね」


『この前秋の味覚パーティーしたし』

「待って何それ」


「栗とか芋系のお菓子みんなで持ち寄って食っただけやで」

「いや、なんで俺ら呼ばんねん!」


「すまん、侑、俺そこおった」


「銀!?」


「この日、侑風邪ひいてなかった?」

「やから残ったもんわけたったやん」

「…ハッ!
め、珍しくサムが栗のモンブラン買うてきてくれたのって」


「あの日やな」


「お前らなんか嫌いやー!!!」


「ツムが熱出してへんかったら呼んだわ
恨むなら自分を恨むやな」


『侑』

「…なに」

『冬は一緒にやろ。鍋とかやったら楽しそうじゃない?』


「…やる」


「チョロツム」

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りな∞(プロフ) - あめみやさん» おはよう靴下は宮城と1部東北?地方特有らしいです😳穴あき靴下って言うより可愛いですよね💓 (3月4日 18時) (レス) id: 77d3b1abb5 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - おはよう靴下ってもしかして全国共通じゃないんですか……? (3月4日 11時) (レス) @page32 id: c8e075c880 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年12月13日 13時

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