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10月5日

今日は宮兄弟の誕生日

「悪い、A扉閉めてきてくれるか」

『はい』

朝からファンがごった返しで


「おわっ」

「あらら、」


下駄箱にもいっぱいのプレゼント

ここに辿り着くまでに押し付けられたプレゼントで両手が塞がっている双子の代わりに

雪崩のように落ちたプレゼントを拾って荷物持ちに徹する私たち


「治くん、良かったらどうぞ!」

治の好きなプチシュークリーム

ロックオンすると彼は口を大きく開けて

「ん」

「!?」

「両手塞がっとるから、食わして」


顔を真っ赤にさせた女の子が1つプチシューを治の口に押し込む

「もうひっほ、」

器用に片側に寄せてもう一度口を開く治は

結局3つ口内にいれて

「ありがとぉ」

と幸せそうに頬張る

「なんでこのくそデブがモテんねん…」

「同じ顔やろ」

妬ましそうに治を睨んだ侑は

「サムゥ!プレゼントの数で勝負や!」

「ええで
勝った方が今日のケーキ大きい方な」

「望むところや!」


2人とも数はすごいけど

なんて言うか、侑の方は推しに対するものに近く
治の方は、特別な感情を抱いているように見える


「Aのは?」

教室の別れ際

治の言葉に

「そんだけ貰っといて強請るなや」

銀は呆れ顔をして

「Aのんは別やろ」

『え、』

「治くん!お誕生日おめでとうございますっ、
あの__」

治はまた新しい女の子に捕まり

「けっ!サムの何がええねん」


悪態をつく侑と倫と私達も教室へ向かう

「いつもはあんなにやかましがってんのに」

「それはそれや
プレゼントは別やし。

俺はサムに負けたないねん!」

『やかましブタが!って睨み聞かせたら1部コアなファンに刺さるんじゃない?』

「それその1部除いた残りのファンを失うことにならへん?」


なんて笑いあっていた侑も

教室に入るなり囲まれて


「侑くん!」
「お誕生日おめでとう!」
「かっこいいです!」
「応援してます!」


「ん〜、ありがとう〜」

笑って対応している姿は

「どしたの?A」

『いや、なんか

改めて、遠い世界の人みたいだなーって』

「なにそれ」

倫はふっと笑って

「余所行き対応侑、激写っと」

カメラを構えながらその様子を眺めていた



お昼になって、銀は1人でやってきた

「治は?」

「呼び出されとる」

「へえ、さすがだね」

「本人は機嫌悪かったけどな
飯の後にしろやって」

「どこまでも治らしいな」

と倫は笑って

「ほな先に頂きますしようや」

侑が手を合わせた

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

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