検索窓
今日:205 hit、昨日:165 hit、合計:120,524 hit

ページ8

〜side Atsumu

おおー!とみんなの声があがり

俺も手を伸ばして1つ手に取ってかぶりつく

「うっま!!」

「やろ?Aのおにぎりは天下一や」

既に食べ終わっているサムは試合の時のような輝いた目で言った

(…これを毎日サムは食ってて、角名は弁当まで…)

『治、もう1つ食べてもいいよ』

「食う!」

嬉しそうに頬張るサムに

『治は喜ぶと思った』

微笑むAちゃん


やから、最近ずっとそんな嬉しそうやったん?

(サムのため…)

美味しいおにぎりが、少しだけしょっぱく感じた




帰り道はもちろんおにぎりの話題でいっぱいで

「これから毎日練習終わりもAのおにぎり食えるん?」

『その予定』

「はー、練習頑張れそうやわ」

「おにぎりなくても最初から本気出せや!」

「そういう銀やって2個食っとったやないか」

「ぅ…。だって美味かったんやもん」



「どこで作ってたの?」

『監督たちの給湯室借してくれるから、そこで
朝タイマーでセットしてみんながダウンと片付けしてる時に握ってきた』

「へぇ、」



『っていうか、みんなおにぎり食べたんだからコンビニ寄らなくて良くない?』

足を止めたAちゃん


「俺はまだ食うもん」

『おにぎり2個食べたのに?』

「おん」

『でも治以外は…』

「俺はシャー芯買わないと」

「お、俺も」

彼女が振り向いて俺の顔を見る


「俺は…、」

『?』

「プリン、買う…。サムの」


「そうや!お前はよ返せや3個入りじゃない方な!?」

「うっさい、分かっとるわ」


いつもの小競り合いを、3人は相変わらずだと呆れながら眺める


「なんでこんなのがモテるんやろな」

「治、今日も女の子に告られてたでしょ」

「は!?ほんまか?サム」

「んー、まあ」

当の本人はあまり興味無さそうで


「返事は?付き合うん?」

興味津々の銀に

「…いや」

言いかけたサムが口を止めて


「Aはどう思う?」

と聞いた


『え?』

「Aは、俺が付き合ったらどう思う?」

なんでそんなこと、聞くん


『治が相手のこと好きならいいと思う』

「ほーん」

Aちゃんは不思議そうな顔のまま

「ま、付き合わへんけど」


「あの子可愛かったのに断ったんや」

「俺が今興味あるもん、別にあるしな」

「どうせ飯とバレーボールやろ」


前を歩くサムと銀を見送りながら

『でも、治がモテるの分かる気がする』

そう見送る目が、少し寂しそうで

(…俺が、誰かと付き合ったとして
そんな顔、してくれんの?)

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
279人がお気に入り
設定タグ:北信介 , 宮侑 , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。