【球技大会の稲荷たち】 ページ48
球技大会当日
机に足を乗せて首の後ろに腕を回しながら気だるげに溜息をつく長身金髪の宮侑
「はぁ
何が楽しくてバレー以外の球技なんかやらなあかんねん」
「運動部は自分の部活禁止やからなぁ」
と銀が宥める
「やめや!やめ!試合前に怪我なんかしたら適わんしボールは蹴るもんちゃうしな」
「A、友達とサッカー見に来るらしいね」
スマホをいじっていた角名がボソリと呟くと
「サッカーに俺の全てをかけて優勝に導いたるからな!角名」
冷めた目で侑を見つめる銀、角名と
お構い無しにパンを頬張っている治
「勘違いすんなよ!俺は負けるのがいやなだけや
特にサムのクラスには負けへんで!」
「俺卓球や」
「なんっでやねん!」
・・・
「Aちゃんはぜっったいバレーに決まっとるやろ!」
競技決めの際の侑の一言で
『いや、でも私バレー下手くそで…』
「まぁ、マネージャーは禁止とかないし」
「バレー部やしな」
と、南の種目はバレーに決定
「ええやんか!俺らがみっちり教えたるし!」
『不安しかない』
「それにA、どうせ球技全部だめじゃん」
『…ぅ』
「だったら多少マシなバレーでいいんじゃない?
レシーブ練くらいなら付き合うし」
『…お願いします』
言葉通り、侑と角名によるバレー特訓が始まったものの
「ほんならまずはジャンプサーブから…」
『いや出来るか!普通のサーブからお願いします!』
「そんなんおもんないやんけ」
『うけとろうと思ってないから!』
「大丈夫やって!侑君が教えたるから!」
『1番不安』
「なんでやねん!
ほら、トンってあげてバコーンや!」
ケラケラとカメラを回す角名
「なんや、Aが喚いとるん珍しいな」
『治、助けてぇ…』
事情を聞いた治が、ボールを回しながら
「ツムが人に教えるなんて無理やろ
そういうことやったら俺が教えたるから安心し」
と微笑む
「ヒョイっとやって、こうや」
『ダメだ、DNA一緒だったこの人達』
「あんな人でなしと一緒にすんなや」
「なんやとクソサム!こっちのセリフじゃボケ!」
「おい、喧嘩すんなって」
銀島の丁寧な指導により、なんとかサーブを取得し
「お!A〜特訓の成果見せたり!」
「ジャンプサーブ期待してんで!」
『赤木さん💢』
当日は審判に借り出されている2年生に見守られながら
南チームはバレー準優勝
侑・角名チームはサッカー優勝という成績を収め球技大会は幕を閉じた
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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時