検索窓
今日:110 hit、昨日:209 hit、合計:120,638 hit

ページ36

「さっむぅ」

「なん?」

「呼んでへんわ、寒い言うただけや!」

「紛らわしいねん」

「お前呼ぶ時のサムちゃうかったやろがい」


「双子静かにせぇ」

クリスマスの夜、煌めくイルミネーションの街は幸せそうな恋人や家族で溢れている

そんな中、遠征帰りの私たちのボルドー集団は一際目立つ


「あれ、治は?」

「チキンの匂いがする言うてどっか行ったで」

「犬か!止めろや侑!」

「なんで俺」

「とりあえず治探しに…」



「どしたん?」

ファミリーパックの大きなチキンの袋を抱えた治は幸せいっぱいの顔


「どこいっててん!」

「ここのチキンめっちゃ美味そうな匂いしててな
買うてきてん

みんな食うやろ?」

邪気のない治の笑顔に、銀は言葉を詰まらせて

「抜ける時は次から一言言うてやぁ」

「おん、すまん」

結局アランさんも銀も双子に甘いんだよなぁと微笑ましくなる


ケーキはジャンケンで勝った侑のショートケーキ

「悪いな、サム!俺の勝ちや!」

「来年はブッシュドノエルやからな!」

「来年、会場は俺の家以外でね」

「角名の家が1番ええんやんかぁー」


当然のように未来の話をして
その未来でみんなは一緒にいる

『来年みんなに彼女が出来てたらどうするの?』

「?バレー部の集まりとは別やろ」

「恋人出来ようが出来まいがどうせ俺らは毎日一緒なんやから」

「Aも彼氏出来てても参加せぇよ」

「こいつに彼氏出来たら誰が俺らの面倒見るん」

「Aはお前らの世話人じゃないんだから」


『私、多分バレー部(みんな)より好きな人なんて出来ないから大丈夫だよ』


4人は目をぱちぱちさせて

「そらそうやろな!A、俺らのこと大好きやもんな」

「来年も絶対5人でやろな〜」

「早くうち行こ
お前らうるさいから迷惑」


クリスマスもバレーして

チキンを食べて、ケーキを食べて

プレゼントを交換したら

みんなでテレビを囲んでバレーの試合を見て

一人暮らしの狭い部屋に大男たちがぎゅっとなって

「電気消すで」
「おやすみ」


「なあ、さっきの速攻どう思う?」

「飛ぶ、思うてからブロック入っても確実に間に合わんやろな」

「角名はどう思う?」

「…」

「すーなー!すな!」

「うっさい!双子寝ろよ」

「角名やったら追いつける?」

「…俺は…1本目では無理かもだけど、3本もあれば触れると思う」

「おぉー!!」

寝ても醒めても

彼らの中心はいつだってバレーボール

「A、明日ビデオ撮って!」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
279人がお気に入り
設定タグ:北信介 , 宮侑 , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。