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ページ33

〜side Atsumu

「侑、行くで」

「は、はい…」

放課後、予定通り北さんと先生の所へ行って


「宮。先生もお前がしたことを否定は出来ん
お前がただ暴れて暴力奮った訳やないことも分かっとる」


提出させられた反省文に目を通した先生は

「でもな、手を出したらあかんし

お前の行動によって守りたかった人を傷つけることもあんねんで」

「…はい」

「バレーはお前にとって大事なもんやろ。

お前がバレー部を大事に思うように、バレー部の皆もバレーが大事で、お前のことも大事に思うとる

先生が言いたいこと、分かるか?」


「…なんとなく」


今までの俺やったらきっと分からんかった

そもそも自分やない誰かを傷つけられて
手を出してバレーが出来なくなるなんて

そんな事ありえないって思うとった


「ちゃんと大事にしや」

「…うす」


「以上。明日から戻ってええで」


Aちゃんの貼り紙のことは

教員の間でも問題になり、個人的に彼女への話もいったらしい


「南は事を荒立てたくないって言うとった
これで収まるなら大事にせんでええって」


それがAちゃんの選んだ答え



「あのう、」

「なんや」

「北さんにまで余計な時間かけさせてすんませんでした…」


「充分反省したやろ
ほんならもうええ」

正論パンチが飛んでくると身構えていたから、拍子抜けして


「怒らんのですか?」

「なんや怒られたいんか?」

「そんなんちゃいますけど…、」

「…俺が言いたいことは多分、皆と一緒で
侑ももう分かっとるやろ」

「…」

「ウチにはお前が必要や
セッターとしても、宮 侑としてもな」

「俺としても?」

「みんな待っとるで。お前のこと
…はよ戻って安心させたり」

Aちゃんのことやって直ぐに分かった

部活に向かう皆と別れる時、彼女はいつもなんとも言えない寂しそうな顔でこっちを見ていて

その顔が苦手やった


「…合わせる顔が、ないんです」

「…珍しいな。侑でもそんな風に思うことあるんか」

「なんやと思ってるんすか俺の事」

普段やったら、北さんに弱音を吐くとか
そんなん絶対出来ひんのに


なんでか口元が緩んだ


「あれ全部、俺のせいなんです。
俺が間違えたから____」

全てを黙って聞き終えた北さんは

「せやったんか」

といっただけでそれ以上何も言う気配もない

「それだけですか?」

「俺に何を求めてるん?
お前が悪いなって俺に言われれば満足なんか?

それでなんか変わるん?」

「変わらへん…けど」

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

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