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ページ25

『侑、起きて』

「ん゛ー、あと5分…」

『バスもう着くから』


「A、そういう時はこれや」


治は侑の耳元で手を添えて


「ツム!北さんが怒っとる!」

「北さん!?ほんますみませ…っ!あたっ!」

勢いよく体を起こし前の椅子に頭をぶつけた


『大丈夫?』

「…こんのくそサム!
もっと優しい起こし方出来へんのかい!」

「普通に起こしても起きひんから優しさで起こしたってるんやろうが」

治はスタスタと歩き出して

「はよ降りるで」

と先を急ぐ


『侑こんな早くに学校行って何するの?』

「寝る」

『なんで来たのよ…』

侑はふん!とそっぽを向いて下駄箱の方へ向かってしまう


「ふっふ
1人仲間はずれやから不貞腐れとるな」

治はニヤニヤしながらその後を見送る

部停中は体育館に来ることも許されない

『バレー出来ないって侑にとって相当なストレスでしょ…?』

「ん?」

『…ごめんって言いたいのに
謝ると怒るの。それ以上謝るなって』

「そら、Aが謝る必要ないからな
ツムが勝手に手ぇ出しただけで

そもそもAなんも悪くないんやし」

『……』

どうして誰も私を責めないのか
どうしていつも通り接してくれるのか


「Aが倉庫整理して、色んなもん片す場所決めといてくれたから昨日もバタつかんで済んだし…

たった1回の練習やったのにAがおってくれる有り難さ身に染みて感じたわ」

『…治は朝練いつも通りあるのにこんな早起きして大丈夫なの?』

「昨日たくさん寝たしいけるやろ」

もう既に貸出済になっている鍵

「何時から活動してんねん朝活老夫婦め…」

『なにそれ?』


『おはようございます』

「おはざーす、」

体育館には


「おはよう、
なんや治もおるんか?珍しいな」

いつも通り、そこに北さんがいて


「南、もう平気なんか?」

『はい。昨日はご迷惑お掛けしてすみません』

「迷惑なんて誰も思うてへんよ」


綺麗に見えてガサツに押し込まれた用具と
不器用に干されたビブス

「あのぅ…、なんか手伝いますか、?」

遠慮がちな治の言葉に

私と北さんは目を合わせる


「俺のはルーティンみたいなもんやから、南の仕事手伝ったり」

「あ、うす」

何したらええ?と治の目が私に向く

『じゃあ、ビブス畳むの手伝ってくれる?』

「おん」

ビブスを畳みながら

「あんな、銀が柔軟剤入れすぎたせいで匂いきっついねん
沢山入れた方がええ匂いになると思うたんやって」

あほやろ、と

治はお喋りを続けた

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

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