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玄関のドアを開けると目の前には
朝から目が痛む明るい金髪と銀髪
「「一緒に学校行こー」」
『…』
「ってなんでドア閉めんねん!!」
『侑、早朝だから静かにして』
「ｽﾝﾏｾﾝ」
『なんでここにいるの？』
「ランニングがてら走ってきてん」
『ここまで来た手段じゃない。どうしてここにいるの？』
「迎えに来てんやんか」
『あんた朝練ないでしょう』
「おん。でもAちゃんは朝練行くと思ったから」
『…行かなかったらどうするつもりだったの』
「考えてへんかったな！サム」
「せやな、ツム」
『なんでよ。バカなの？』
「やって、おったやん」
治は侑に比べて大人しいと思われがちだけど
同じDNAが流れてるのだ
大人しいはずもない
「Aん家初めて来たわー」
「俺は昨日来たから俺の勝ちやな」
「あぁ!?」
『人の家の前で喧嘩しないでくれる？』
「「はい」」
私はため息をついて玄関に出る
『私バスで行くよ？』
「「おん」」
『無駄に交通費かかるだけじゃん』
「Aのおにぎりのおかげで食費だいぶ抑えられとるから余裕やで」
ニンマリと治が笑う
「良かったわ、元気そうで」
『え？』
「Aが元気ないと腹減らんし飯が美味ないねん」
『病気？どうしたの、治』
「Aが元気がないと、言うてるやろ」
『…なんで？』
「さあな」
乗り込んだバスの最終列で双子に挟まれながら座り
10分ほどバスに揺られたところで侑は寝息を立て始めた
「A、なんで朝練来たん？
落ち着くまで休んでてええよって言われたんやろ？」
『…自分の都合で仕事を放り出してみんなに迷惑かけるのは違うと思ったから』
「…真面目か」
治はため息をついて
『それと』
「？」
『治におにぎり届けないといけないと思ったから』
目をまん丸にして私の瞳を見つめ返す治
『治、朝練の後なんか食べないと動かないでしょ』
丸い目を細めて今度は笑いだし
「今日おにぎり自分で握ってきてん」
『え、そうなの？』
「こんな時くらいAに迷惑かけたらあかんな、思うて」
双子は顔はそっくりだけど
表情はあまり似てない
「せやけど、やっぱりAのみたいに上手く出来ひんねん
やから、俺のと交換せーへん？」
『交換？』
「俺のおにぎり、あげるからAのんは俺にちょーだい」
『いいけど…』
満足そうに頷いた治は
「昨日ツムがAのオトンから米貰ってきてな
美味い美味いってウチでも大好評やったで」
と笑った
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年11月6日 1時
