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『私、お昼別で食べようか？』
「は？なんで？」
目を丸くする侑
「Aが出ていく必要ないやろ
追い出されるべきなんはツムや」
「はぁ？なんで俺やねん」
「彼女からなんか言われたん？」
銀の言葉に侑がぴくりと眉を動かす
『いや、そういう訳じゃないんだけど』
直接言われたわけじゃない
ただ
「あんまAのこと良くは思ってないみたいだしね」
倫がスマホをいじりながら静かに呟く
噂で回ってくる
「マネージャー、侑くんと距離近すぎ」
「彼女が可哀想」
こういうのはマネージャー就任時も多かったけど、最近は落ち着いていたのに
叩き所を見つけて再炎上といった所だろう
「俺からよう言うとくわ」
『いや、それは…』
「ホンマにアホやな、ツム
そんなんしたら逆効果に決まっとるやん」
「はあ？なんでや」
「彼女からしたら、彼氏の侑が自分よりほかの女の肩を持つなんて1番最悪のパターンだよ
Aにもっと被害いくから大人しくして」
治と倫に諭された侑は難しそうに顔を顰め
「別に俺とAちゃんは選手とマネージャーなんやから
今更距離が変わるも何もないやろ」
彼の発言に私達は顔を見合せてため息をついた
同じクラスだから接触を避けるのは難しいし
最低限の配慮をしながら過ごす日々が流れ
やってきた文化祭も、2人は仲良く回っていた
「は？俺以外みんな一緒に回んの？」
そんなんいじめや！と駄々を捏ねる侑を
「お前は彼女と回るんやろ」
と治が追い出し
「彼女が当番の間だけでもいーれて♡」
と少しの間だけ合流した
「Aちゃん、やっぱ血色のないナース似合っとんな！」
『殺されに来たの？』
お化け屋敷を行ったうちのクラスでは
【イケメン吸血鬼】の侑は大人気だった
「A、次フランクフルト」
『はいはい』
人混みに疲れたという倫と銀を置いて、私は治のグルメ巡りに付き合わされる
「ナース似合うとるやん」
『双子揃って失礼だよね』
治はむっとして
「俺は普通に、ナース服着とるんが可愛いなって思うただけやし」
と続ける
『…治もたこ焼き屋さん似合うね』
「やろ？」
「あっ！サムー！ちょうどええ所におった！
後で買いいくからたこ焼きおまけしたって〜！」
侑カップルに遭遇
「生憎人でなしに出来るサービスは取り扱いがないらしいわ」
「誰が人でなしや！」
『ケンカしないの』
睨み合う2人を引き剥がして
『ほら、次お団子行くんでしょ』
治の背中を押した
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年11月6日 1時
