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ページ12

「侑、あの子と付き合ったらしいよ」

『へえ』

朝練開始前

ボールを取りに来た倫が言った

「興味無さそうだね」

『そんなこともないけど
侑の勝手でしょ』

「ふーん」

そういう倫も

『あなた達こそもっとはしゃぐかと思ったけど』

「別に
アイツらがモテることなんて知ってたし」

細い目を更に細めながら

「なーんかいじりずらいんだよなぁ
あの感じ」

と外に目をやった

彼女が見に来ているらしい

朝早くからご苦労なことだ

「そもそも侑が了承する時点で俺達も驚いたし」

『どうして?』

「今まではこっぴどく振ってたし、
まあアイツバカだからな」

『本人には言ってやるなよそれ』


どうりで

『おはよう』

「…はよ、」

(目を逸らされたわけだ)


『侑、ボトル』

「サンキュ」

部活中は切り替えて集中している侑


練習が終わり片付けをしている最中
視線を感じて顔を上げると

侑の彼女がじっと私を見ていた

(マネージャーなんて無害ですよ)

心の中で呟いて

そもそも

(侑たちのような人は私なんて好きにはならない)



「へっへーん!サム!俺の勝ちやな」

「勝負はプレゼントの数やったんちゃうんかい」

「そっちは負けたけど、俺の方が先に彼女作ったからな!
俺の勝ちや」

(負けたんだ)

ドヤ顔をする侑に、治は興味なさげに目を細めながら

「好きでもない奴と付き合うだけなんて、そっちのが負けやろ

アホくさ」

と言い放ち

「A〜、おにぎり」

と興味を私へ移した

「な、なんやねん
負け惜しみなんて効かへんわ!アホ!」

「言ってろ」



練習終わり、侑は待っていた彼女と下駄箱に向かい

「侑の外面フェイスなんや気味悪いな」

「人でなしなとこ見てるからね」

散々な言われようだけど

嬉しそうに話す彼女の話を笑顔で聞いている侑

『バレー以外ではそんなこともないんじゃない?』

「A…」

治が真剣な顔で私の目を見つめて言った

「残念やけど、ツムはバレー以外でも人格ポンコツや」

『あっそう』



侑はバレー部の練習が終わるまで待っている彼女と帰るようになり

お昼ご飯も

「彼女が作ってくれてん」

彼女の手作りのお弁当を食べるようになった

「今日も待ってるよ、彼女」

「…んー、」

雨の日も

「侑君、お疲れ様」

「こんな天気の日位はよ帰れって
風邪引くやん」

「えへへ」

侑は彼女に自分のジャージをかけてやっていて

(彼女にはああいうことするんだ)


少しずつ、皆で過ごす時間は減っていった

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年11月6日 1時

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