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ページ10

「練習はこれで終わりや

自主練してく奴らは残るけど、最後は全部つこたやつがなおすようになっとるからマネージャーの仕事としてはこの時間で終わってもらってええで」

『分かりました』

「平日は朝練が7時から、授業の後__」

北さんからザッと説明を受けて

「ここまででなんか分からんことある?」

相変わらず、無駄も隙もない完結な説明

『練習開始前何時頃についていたらいいですか?』

「…そんなん決まりはないな

言うたやろ、うちにはマネージャー制度自体がなかってん」

あ、そうか

「時間調節も含めて色々試してみーや」

『分かりました。ありがとうございます』


「…ケータイ、出して」

『え?』


北さんはトークアプリの連絡先を開き

私のケータイに、北信介の名前が登録される

「部の連絡はこれで来るから毎日確認するようにな」

『はい』


「それと、なんか困ったら連絡しや」

北さんは

責任感のある人だし、真面目な人だから

私に優しい訳じゃなくて

チームに早く貢献出来るマネージャーにするために、こうして時間を割いてくれている


そんなことは分かってる

それでも

飛び上がりそうになる衝動を何とか抑えた



ビブスの洗濯は、普段は1年生で回していたらしく

「洗剤、柔軟剤入れてセット

40分経ったら取りに来て部室に干して帰る

簡単でしょ」


『分かりました。ありがとうございます』


今日担当の角名倫太郎がやり方を教えてくれた


「んで、明日の朝畳むんだけど
まーこれは気にしなくていいよ」

『?』

「北さんって誰より早く来てこういうことやってくれてんの」

『1年生がやらなくていいんですか』


「学年とか関係なくやれるやつがやったらいいって本人が言うんだよ」


『…北さんはどのくらい前に来てるんですか?』

「さーね。俺たちがたまたま早くついてもいつでもいるから1時間前とかなんじゃない」

『…なるほど』


「明日も来んの?」

『え?』

「いや、侑達にあんだけ言われてもフツーにしてるからさ」

『…?』

「俺の予想では、泣き出すか
頑張っても明日から来ない

粘って1週間ってとこかな」

切れ長の目を更に薄く細めて

「ま、俺はどっちだっていいけど 」

ともう興味を無くしたように突き放す

「最後、干すの任せていい?」

『はい』

「じゃあよろしくー」

あ、と足を止めて

「同い年みたいだから敬語じゃなくてなくていいよ」

おつかれ、と彼は体育館へ戻った

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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります!楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました!!続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年10月9日 4時

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