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ページ50

花火大会の次の日も

朝はいつも通りやってくる


「なんや、吹っ切れたみたいやな」

『え?』

「なんや塞ぎ込んどったみたいやったからどうしたもんか、思てたんやけど

心配いらんようや」

ボールを磨いてきた北さんが顔を上げた

『す、すみません。そんな態度に出てましたか…?』

治達にも言われた程だ

普通にしていたつもりだったのに、選手に余計な気遣いをさせてしまうなんてマネージャー失格だ


「いや
仕事にミスがあった訳でもないし、明らかに落ち込んでるような雰囲気でもなかった」

『…?』

「でも、まぁ。見てる人には分かるんちゃう?

南は口数が多いわけやないけど、意外と顔に出るタイプやしな」

顔に出るタイプ…?

無愛想代表のような私が?

「治や侑もやきもきしてたみたいやし」

『侑?』


「なんや、気付いてへんかったんか?

侑が妙に塩らしく南気にしとるから、あいつがまたなんかやらかしたんかと思てたんやけど

濡れ衣やったんか」

悪いことしたわ、と笑う北さん


(…北さんが声出して笑ってる…)

「侑は気ぃ強いし、人一倍負けん気も強いからなかなか扱いが難しい所もあるけど

あいつの努力とバレーへの気持ちは絶対ぶれることないし

お調子者やけど、素直な奴やねん」

『…はい』

「もちろん、行き過ぎたことをするなら俺らからちゃんとセーブさせなあかんと思ってたんやけど

無理やり大人しくさせても居心地悪いやろうし、侑の場合逆効果やからな」

挨拶や最低限のことには注意はしても

先輩たちが侑に私と仲良くしろ、ととやかく言うことはなかった


「それに、お前らは大丈夫やと思てたからな」

あんなに険悪だったのに?と北さんをみると

「南の頑張り見とったら、この子なら大丈夫やって思えてん」

言葉が出ず、ボールを磨く手を早める私に北さんはふっと笑った

『北さんは、よく見てるんですね
バレー部のこと』

「俺に出来るんはそういう部分やと思うし」

北さんのような人が

北川第一(あそこ)にいたら

飛雄の今は違っただろうか


侑は、先輩であろうが身内の双子であろうが

相手は関係なく

プレーに不満があればキッパリと言うし

「ポンコツ」
「なんで決められへんねん」

とキツい言葉も吐く

治とは殴り合いの喧嘩になることもしょっちゅうだけど

だからといって部内で嫌われたり陰口を言われてる様子もない


いじられたりからかわれることはあっても
そこに悪意は無い

侑と飛雄

『…何が違ったんだろう』

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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります!楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました!!続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年10月9日 4時

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