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「A」
いつの間にかすっかり寝入ってしまっていて、体を揺すられて起きる
「サービスエリア、ついたよ
トイレ行くなら起きて」
『…ありがと、』
目を擦ると、かけた覚えのないジャージ
『…？』
「クーラー効いててちょっと寒そうだったから
寝てると体温下がるし」
『…ありがとう』
「俺、トイレと売店もチョロっと治達と見に行くけどAも行く？」
『うん』
かけてもらったジャージを袖を通さずに羽織って
「その格好北さんみたいだな」
『カッコイイ？』
｢えー、Aあれかっこいいと思ってたんだ、意外｣
トイレを済ませて外に出ると、長身の目立つ彼は柱にもたれかかっていて
『待っててくれたの？』
｢そんな待ってないよ｣
一番最初に話せるようになった人
地方からの推薦なこともあって、標準語同盟で
そんな彼との時間はとても心地がよくて
｢お、角名…とA｣
両手いっぱいに食べ物を抱えている治
『それ全部食べるの？』
｢おん｣
彼の胃袋はどうなっているのか、本気で不思議になる
｢試合のあとはな、腹減るねん｣
(あ、負けず嫌い出てる)
治も悔しかったんだな
1年生は治が途中交代で入った位で、スタートからフルで出たのは侑だけだったけど
みんなちゃんと、葛藤と悔しさを抱えてる
｢おい侑、ほんまに食い切れるんか？｣
｢当たり前やろ！もっと食って、身体大きくして、次は絶対勝つ！｣
治に負けず劣らずの量を抱えた侑が銀と売店から出てきて
｢帰ったら練習や！サム！角名！銀！｣
｢えぇ!?俺らも？｣
｢俺は帰る｣
｢頑張りや、ツム。先帰っとくな｣
｢なんでやねんお前ら!!｣
｢嘘やって笑｣
｢まぁ少しなら付き合ったらんこともないわ｣
｢いや俺は割とマジで帰りたい｣
｢やる気出せ角名！｣
『…ふふ』
｢え、｣
皆がギョッとしたように私を見る
『皆が試合に出るようになるの、楽しみだなぁ』
｢そんなんあっちゅー間やで｣
治がニンマリと口角をあげて
｢Aもよう食っておっきくなりや｣
『いや、身長関係な…』
手渡されるのはあんぱん
『？なんで…』
｢寝とったから、起きた時食えるもんないと可哀想やなって｣
『私に買ってくれたの？』
｢おん｣
稲荷崎でマネージャーを始めたきっかけは北さんだった
北さんに出会えたのは、桃ちゃんのおかげで
色んな人とのご縁で、今ここにいるわけで
私は、彼らのことがどうしようもなく
大好きになってしまったみたいだ
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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります！楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (
レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました！！続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年10月9日 4時
