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「勉強、教えて」

『…なんの?』

「ぜんぶ」

『…』

「角名に断られてん」

「だってお前らまともに勉強しないじゃん」

目の前でプクッと頬を膨らませる治

夏休みに入る前に立ちはだかるのは、期末テスト

赤点だと補習で練習に参加出来ないためしっかり勉強するようにと昨日北さんからの話があった所だ


「アラン君にも頼んだけど、あの人もアホやから意味ないし」

「お前らよりは出来るでしょうよ」

「うっさいわ
やからこうしてAに頼みに来てんやんか」

『銀は?』

「あいつも勉強出来ないよ」

角名の言葉に頷く治

『北さんにお願いすれば?
嫌でも勉強するでしょ』

「それだけはあかん
勉強どころの話ちゃうで。部内で死人でてもええんか?」

『なにそれ…』

でも北さんに迷惑がかかるのもな、と思い引き受けて

昼休みと、部活後の時間に少しずつ勉強をすることに


テスト休みなんてないのが強豪らしいなとは思うけど


「どうやろか…?」

治の小テストを見ながら、私は目を疑った


確率を求める問題に対して
何通りあるか、と聞かれているのに

彼の回答は“沢山ある”

もちろんバツだ


12点を取っていた兄弟を思い出し、DNAの恐ろしさを痛感する

「侑は大丈夫なん?」


自分の席で眠っている侑を見ながら
いつの間にかちゃっかり参加していた銀が言う


席替えをして、私たちはバラバラになり
部活中の最低限の会話を除いて、私たちが話すことはなくなった


「他の教科は知らんけど数Aは何故か解けてんねん、あいつ」

「侑が!?」

「12点とってたのに?」

「あの補習で何教わったんやろなぁ」


「あの日何やったの?」

倫の言葉に

「Aも補習受けたん?」

と2人が目を丸くした

『うたた寝しちゃって』

「Aでも授業中寝ることあるんやなぁ」

治に続いて銀まで

「なんか、Aも人間なんやなって安心したわ」

と笑う

『なんだと思ってたの?』

「「女版北さん」」

『北さんも人間では?』

「A、ツッコミも板についてきたなぁ」

治がしみじみという

「どーせ試合遅くまで見てたんでしょ」

「試合?」

「あん時、インハイ予選前だからってスコアとかルールの勉強アホみたいにしまくってたから」

倫に図星をつかれて

私は話を逸らす

『補習って言ってもプリント解いただけだよ』

「尚更ツムが1人で解けるわけないやん」

「部活ちゃんと間に合うてたしな」

「侑、何故か今回の数Aの範囲だけ無双してんだよ」

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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります!楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました!!続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年10月9日 4時

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