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「楽しみやなぁ、サム」
「せやな、ツム」
「はしゃぎすぎんなよー、双子」
目を輝かせる双子を呆れ顔で宥めるのはアランさん
ミーティングの時、掲げられた横断幕に
侑は同じ瞳をしていた
早く戦いたくて
暴れたくて仕方ないってうずうずしているような
あの日、北さんは
スローガンに対してどう思うか尋ねられた私が上手く具現化出来ずにいたら
「どう思っててもええねん。解釈は人それぞれあるやろうし」
と言った
【全国大会に来たなんて思い出はいらない
俺たちは勝ちに来た】
彼らの背中はそう言っているようで
「驚いたやろ。ウチの応援ちょっと他とちゃうからな」
そう言ったのはアランさんで、よほど私がマヌケ面をしていたせいか、少し笑っていた
吹奏楽部による応援歌の演奏と
生徒だけではない応援のギャラリーがずらりと並んでいて
会場にいるだけで、空気がピリつくのがわかる
これが“稲荷崎”の応援
おじさんから、OBらしいお兄さん達、バレー部であろう中学生
そして若い女の子まで沢山の人がいる
目に止まるのは宮ツインズのうちわ
侑と治の名前がある
彼らは学校でも人気者だけど
(アイドルみたいだな…)
その姿は、ある人を連想させる
1個上でバレー部主将を務めていたあの人
「侑くん！こっち向いてー！」
「治くーーん！」
黄色い声に双子が応援席を見上げ、応えるように手を上げる
「相変わらずやな…」
銀が隣でつぶやき、きょとんとしている私に
「宮ツインズはバレー通はもちろん、イケメン双子としても注目されとったから、昔からこうやねん」
と教えてくれる
『へぇ、』
確かに顔は整っているけど、ブチギレてる時の剣幕を見ればあんな風にキャーキャー言えないけどな
なんて思いながら支度をする
集合になって、ベンチにみんなが集まると
「侑君こっち来たぁ！」
「撮って撮って！」
高い声が頭上で響く
(試合前は皆集中してるしミーティング中は控えて欲しいんだけど…)
大丈夫かな、と様子を伺うと
案の定ブチ切れ散らかしてる宮侑
私に向ける殺気と近しいものを感じる
「Aテーピングもらってええ？ツムが巻き直したいって」
『あ、うん』
「ありがとぉ」
ドクターバックを漁っていた治にテーピングを渡す
『なんか、大変だね、2人も』
「…あー」
治はチラリと上に目をやって
「どーゆー気持ちでやってんねやろな、とは思うわ
俺、今日出ぇへんし」
普段、あたりの柔らかい治の冷たい声
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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります！楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (
レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました！！続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年10月9日 4時
