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「どんなパン〜が好き？♪」
『…』
昼休み、治は私の前で歌いながらパンが沢山入った袋を広げた
そんな、どんな色が好き？みたいに歌われても
特に好き嫌いもないし
ジャムパンやクリームパン、チョコチップパン
「プリンも買うてきたで」
「サム、１個頂戴」
「あかん。俺のや」
「ええやん！3つあるんやから」
「１個はAの。あとは俺のや」
「2個あるんやから１個くらいええやろ」
「アホ抜かせ。お前、俺のでっかいプリン勝手に食ったこと許してへんからな
このプリン3つ分やぞ」
「細かいことでやいやいいうなや」
「あぁ!?この人でなし」
「おい、喧嘩すんなって」
銀島君の制しに引き剥がされた双子はしかめっ面で互いを睨み合う
「つーか、なんでまたマネージャーおんねん」
「ツム、Aに当たんな」
『治、これ貰ってくね』
「え、」
私は袋からパンを1つ取り出して、席を立つ
「どこ行くの」
『友達と食べる約束、してるから』
「…ふーん」
そんな友達いないくせにって
全てを見透かしたような倫の目を避けて私は教室を出た
新緑の芽吹く5月
昼間は暖かいから、ベンチでお弁当を広げる
お父さんは、今日の新米を静かに楽しみにしていて
治もおにぎりを食べるなり幸せそうに笑っていた
(…やっぱり、あんま分かんないな)
ご飯を口に運んでもいつもと何がどう違うかはあまり分からない
(ふわっふわ…か、)
治の食リポを頼りにしてみても、なんとなーくいつもより甘く、柔らかく感じるような気がするってくらい
「A」
『治？なんで…』
振り向くとそこには治が立っていて
『…生姜焼き、食べる？』
「！食べる」
あー、と口を広げる彼にお肉を突っ込んでやれば
もっもっと頬張る姿は
(カービィみたい)
微笑まししく思っていると
「って、ねだりに来たんちゃうくて、忘れ物届けに来てん」
『忘れ物？』
「プリン。Aに買うてきたって言うたやんかー」
『あ、』
「ん。一緒に食お」
デザートタイムやーって治が隣に座る
『みんなと食べてこなかったの？』
「あそこで食ったらあの人でなしに食われるんがオチや」
兄弟の話をする時、目のハイライトが消えてこの上なく顔が歪むのはデフォなのだろうか…
「A、なんであんぱんとったん？」
『え？』
「朝、話したやん。
俺ツッコミ待ちで毎日あんぱん持ってってただけやって
今日は沢山種類用意してったんに、
なんでそれにしたん？」
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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります！楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (
レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました！！続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年10月9日 4時
