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ページ22

『はい、』

思わず返事をしてしまう

「いや、今のは名前呼んだんやなくて確認のつもりやったんやけど」

『あ、』

「Aやったら、名前間違えんでええわ」

2つあったおにぎりを完食し、手を合わせてごちそうさまをすると

「今度お返しさせてな」

と治はみんなを追いかけて行った




・・・

『それでね、治君と少し話せたんだよ』

「へぇ、良かったじゃん」

倫はいつも通り屋上の角で腰掛けてお弁当を頬張りながら興味無さそうに相槌を打つ


『双子でもあんまり似てないね』

「まあ負けず嫌いなとことか、調子乗り出すとそっくりだけどね」

『ふうん、』

「そんじゃ今日自分用のおにぎりないんだ」

『購買いってなんか買おうと思ったけどほぼ空だった』

「だろうね」

『今日1日くらいなんとかなるよ』

「…そ」


『今日もお願いします』

お弁当を食べ終わってボールを見せると、倫はだるそうに立ち上がる

「もう十分じゃない?」


『お願いします』

「はいはい」




「なんや、屋上で練習しとるバレー部って倫太郎のことやったんか」

「尾白さん、…と」

『北さん…?』

屋上のドアが空いて入ってきたのはアランさんと北さん


「ん?倫太郎がAに練習付き合うてもろてたんか?」

「いや、こいつの練習っすね」

「マネージャーが何を練習すんねん」

不思議そうな顔をしているアランさんに

『ボール出し…、くらい出来るようになろうと思って、倫に練習付き合ってもらってたんです』


「なんて健気な…っ」

瞳を潤ませるアランさんの横で、黙っていた北さんが私のジャージの袖をまくった


「うわ、痛そ…」

「最初はみんなこうなんねん」

アランさんの言葉に、北さんもアザのような皮下出血だらけの紫の腕を見ながら続けた

『北、さん、』

「皮膚が柔らかいから。
…痛いやろ」

『いえ、』



「は?レシーブの練習?

要らないでしょ、何になろうとしてんの」

『…でも』

「また侑になんか言われたの?
気にしなくていいよ

あいつ、喧嘩しないと気が済まないゴリラだから」



倫も呆れてたけど

それでも


“見てるだけの奴に何がわかんねん
バレーのことも、俺らのことも何も分からんお前がコートに入んな”


彼の言葉は意地悪だけど、

(多分、本心)


「…南はマネージャーなんやから、業務だけしっかりやってくれとったらええよ。

侑の挑発になんか乗らんでも」

無機質で冷たい声

『…私が、出来るようになりたいんです』

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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります!楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました!!続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年10月9日 4時

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