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「まだやるんすか、おねーさん」

『もう1回お願いします』

「いいけど」

あの日から

朝練の前の10分

昼休み お昼を食べ終わって20分

部活終わり、ビブスの洗濯を待つ間、少し


隙間時間を見つけては倫にバレーを教えて貰うことにした
まずは、ボール出しから

『ああぁぁぁ、ごめん、また』

「だから、打てないことないって」

『それは倫の意味わかんない体幹があるからでしょ…』

「褒められてんの?貶されてんの?」

『…こんなんじゃ、みんなの練習にならない』

「よくやるねぇ、ほんと」




翌日の朝練のとき、私の姿をみた選手はみんな少し驚いた顔をしていた

あの一件で、辞めるに違いないと思っていたんだろう


(中学の時の私なら間違いなく辞めてましたけどね)

でも、負けっぱなしじゃいられないじゃない


『お願いしといてなんだけど、自分の練習に響かないようにでいいから』

「こんくらい平気だって
その変な気遣い屋さんなの何」

『マネージャーが自分の練習のために選手の時間削るとか本末転倒でしょ…』



「ボール出しとかは、マネージャーがやるとこもあれば選手同士で回すとこもあるし

ぶっちゃけ誰がやってもいんだよ」

『うん?』

「マネージャーがやらなきゃいけない仕事じゃない
出来ないことが悪いことじゃない

だってマネはプレーをする人じゃないんだから」

『…マネージャーが出来ることなんて全部そうでしょ』

「ん?」

『ボトルも洗濯も掃除も、全部誰にでも出来ることで

マネージャーがやらなくてもいいかもしれない』

「…」

『だけど、誰かがやらないといけないから
選手がバレーボールに打ち込めるようにマネージャーがいるんでしょ

少しでも選手の役に立つなら、それはマネージャーの仕事の範疇だと思う』

「はいはい、真面目ちゃん」

『バカにしてるね』


「だから言ってんじゃん、バカだと思うよって」

倫は思っていた以上によく話す男の子だった

冗談だって言うし
時にはボケたり、ツッコんだりもする


『倫は、私といるせいでみんなと…その、ギスギスしたりしないの?』

「別に
元々なかよしこよし〜って訳じゃないし」


『嘘だよそんなの』


皆がすごく仲良しなの、私は知ってる

「…そんなんで壊れるような信頼関係築いてないから

大丈夫だよ」

『そっか』

「俺は美味い弁当が食えりゃなんでもいいわ」


彼といる時間は、変に着飾る必要もなく
弱い部分を晒した後だからか何も気にせずいられて

心地よかった

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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります!楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました!!続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年10月9日 4時

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