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ページ17

「やめんの?」

『!?』

涙が落ち着いた頃

ぼーっと洗濯が終わるのを突っ立って待っていたら

『…倫』

「怪我、してない?」

『うん、当たってないから』

倫はどこか歯切れが悪そうで

『宮侑のコントロールってほんと凄いんだね』

と言うと

「そーゆー問題じゃないでしょ」

と倫が声色を強めた


「今までは、正直俺もゲーム感覚で見てたっていうか

…まぁ、そんなに持たないだろうなって
いつ辞めんのかなーって興味半分に見てたんだけど」

『…?』

「毎朝、北さんレベルで一番乗りして

あんな扱い受けてんのにそんな奴らのために文句も言わず毎日毎日雑用ばっかして

頭良さそうなのに、頑張り方がクソ真面目すぎてバカだし」

『…倫?』

「そんな、頑張ってるの知っちゃったら

あんな風にされてんの見ると…さすがに腹立つ」


どうして、そんな言葉をかけてくれるのか

『なんであの時、謝ったの?』

腰が抜けて動けなかった時、私の腕を引いた彼は

ごめん、と言った

「…無意識

俺が、あと一歩早く変わってあげられてたらって」

ようやく止まったはずの涙が、また溢れてきて

(選手の前で泣くなんて、最低だ)

ジャージの袖でゴシゴシと擦る

「あんま雑に目こするなよ。女だろ」

『…関係ない』


「___悪かった」

倫の言葉に私は驚いて彼を見た

なんで、倫が謝るの?

「お前のこと、メンタル強いしこいつは大丈夫だろって思ってた」

相変わらず彼の表情からは何を考えてるのかは汲み取れない

「そんなわけないよな

あんな環境に女1人でぶち込まれて
キツくないわけないのに

ごめん」

『…倫が謝る事じゃないじゃん』

「…俺、Aが辞めてもどっちでもいいって言ったけど…

本当は、期待してたみたいだわ
お前なら続けてくれるって」

ずるいじゃないか、そんなの

「お前の弁当、美味いし」

『それは自分で作ってきてよ…』

「はは笑」

誰にも認めて貰えなくても、仕方ないって

思ってたはずなのに


1人でも認めてくれる人がいるのなら
やめないでって言ってくれる人がいるのなら


もう少し、頑張ってみたくなってしまうでしょう


「ビブス干すの手伝うから今度また弁当頂戴」

『1人分位変わらないしいいよ』

「自分で作ってんの?」

『うん』

「へーすごいね。さすがマネージャー」

音が止まり洗濯が終わったビブスを取り出す

『ビブスより、倫に手伝って欲しいことがあるんだけど』

「めんどいことはパスね」

『優しくないな…』

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りな∞(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます!これからも心を揺らすお話をお届け出来るように頑張ります!楽しんでいただけると嬉しいです🥺 (10月29日 20時) (レス) @page45 id: 6423446c77 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 心がギュッとなってとても動かされました!!続きがとても気になります🥹 (10月29日 14時) (レス) id: 9f951b305f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りな∞ | 作成日時:2023年10月9日 4時

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