白昼夢Ⅱ (ページ5)

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不完全燃焼という言葉がピッタリで

高校やって目標も理由もなくそのまま進学して

みゆ「大晴のことずっと好きやってんけど」

「…うん、ありがとう。ごめんな」

中身は空っぽのまま

みんなに優しい大晴君のままで

美月に出会った

入学当初から可愛いって噂されていた彼女のことは俺も知っていて

周りの奴らが可愛い可愛いっていうから適当に合わせてた

高校に入れば何か変わるかもって思ったのに、

彼女のいない学校はなんの面白みもなくて

大「え、大晴陸上続けへんの？」

Aが誠也くんのダンス見ていつも褒めてたからって

ダメ元でダンス部入って、しょうもない俺を

誠也君はなんも知らずに可愛がってくれた

君がいなくなって少しして

部活を引退し貯めてたお小遣いで東京まで会いにあった中3の秋

会える確証なんてないまま教えて貰っていた彼女の学校を目指したら、Aの隣には男の子がおって

2人で並んで歩いてて

あの日のまま時間が止まってるのは俺だけなんやって
声もかけれずに帰ってきたくせに

今も未練タラタラなんて、ほんま情けないよな

美月は同じクラスやったから多少の会話はあったけど、特別話すような仲ではなかった

文化祭の役割決め

「美月が勧誘やってや！そしたらめっちゃ人はいるやろ！」

美月「、でも私あんまり知らない人と話すの得意じゃ…」

「美月しかおらんって！」
「そうやで、美月ちゃんが集客したら男めっちゃ集められるし！」
「お願い美月！」

美月「…わかった。頑張るな、」

嫌なことを嫌って言えずに押しに弱いところが

ある人と、被って見えて

「それやったら、俺も集客やるわ」

「え、大晴も？」

「俺のギャグで男も女もじゃんじゃん入れたるわ」

「あー、でも大晴黙ってたらかっこええしいいんちゃう？」
「せやな、遠巻きに見たら美男美女でお似合いやし」
「大晴、ギャグ封印で爽やか青年で頼むわ」

「なんでやねん」

美月「私が弱いせいで巻き込んでごめんね」

なんて謝るから

「謝ることなんもなくない？
俺が勝手に言うたんやし
それに美月ちゃんのは優しさやろ」

美月「…でも、大晴君、ダンス部の発表もあるやろ？」

「ぁー、その時間だけ抜けることになっちゃうけど平気？」

美月「それは、全然！でも私のせいで…」

「ここだけの話、絶対裏方よりこっちのが楽やで」

耳元に小声で

「話しながら適当に時間潰せてむしろラッキー」

って囁けば、ありがとうって美月も笑った