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美月「口説いてるん？」
「ちゃうわ笑」
誰が想像できたやろか
こんな風に冗談言って笑ったりできる日が来るって
美月「大晴には謝っても謝りきれないよな」
「…そんなん、俺やって…」
美月「でもな、大晴と付き合って初めて
恋って何か分かった。
毎日が楽しかった」
「…」
美月「こんな自分でもって、ほんの少し私自身を好きになれた」
「美月、」
美月「だから、ありがとう」
ふわり、と笑う美月は
「やっぱ、お姫様みたいやな」
とても綺麗で
美月「ずっと伝えられずにいた
あの時、そばに居てくれてありがとう
私を、救い出してくれてありがとう」
涙が溢れそうになるのを堪える
美月「何度もあなたの愛情を確かめて、自分の安心のために
何度も、あなたを傷つけた」
「それは、俺が美月を安心させてやれなかったから…」
美月「大晴は私を知ろうとしてくれてた
歩み寄ってくれてた
その上で、私じゃなかった。それだけ」
美月が好きそうなものを調べて
彼女の喜びそうな場所を探して
笑わせたいって思ってた
美月「1人の人とか、弱い人を放っておけない所は大晴の長所やと思う」
「…、」
美月「でもね、私は。
その優しさを私だけに向けて欲しいって思っちゃうの
欲張りやから、笑」
「…分かるよ」
美月「恭平は
不器用やし口は悪いし、
察しも悪いし
炭水化物も糖質も取りたくないって言うてんのにアホみたいに甘いもの買ってくるし牛丼誘うし
大晴みたいな王子様ちゃうねんけど」
と口を尖らせる
美月「でも、こんな私でもええよって言ってくれる人やねん」
美月が美しさを求めるあまり、コケていくのが怖かった
自分がいることでちゃんと食事をしてくれるなら、って離れられなかった
でも今みたいに笑う美月がいい
美月「大晴の前ではこんな素、見せれなかったな
ずっと背伸びしてた」
幻滅した？なんて笑う彼女に
「するわけないやろ
あの時から見せてくれたら良かったのに笑」
美月「…大晴だってきっと良い彼氏を演じてくれてたやろ」
だから、合わなかったんだよ私たちはって美月の言葉に
「合う、合わへんはよく分かんないけど…。俺は良い彼氏演じたことないで？
てか、演じられてなかったやろ？」
だって怒られてばっかりやったし
泣かせてばっかやったし、
「美月が笑ってたら嬉しいから、俺がやりたくてやってただけ」
逆やったんかな
「俺が、美月にいい彼女を演じさせてもうてたんかな」
美月「そんなことないよ」
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年1月1日 21時
