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「ーくんって樺子ちゃんとめっちゃ仲ええよなぁ」
「好きなんちゃう？」
「やめてや、こんなブス絶対ないって笑」
「釣り合わへんもんな笑」
「なんやねん。こっち見んなよ。カバ子」
けたたましいアラームの音で起きて
顔を洗って鏡に映る顔を見つめる
(この間メンテいったばっかやのに
これシワ…？ボト打ちたい)
お金をかけて造った顔は維持するのも大変で
直しても直しても気になる所ばかり
いつからやっけ
人の容姿を勝手に採点して、文句つけて
じゃあ自分は？って負のサイクルに陥る毎日
今まで出会った中でただ1人
一般の概念を覆す様な人懐っこいくりくりな三白眼
サラサラでストレートな髪
人柄の良い柔らかな笑顔
(…120点)
最初は眺めてるだけで良かったのに
この人の瞳に映りたくて
特別になりたくて
いざ近づいてみたら
邪気のない素直で優しい光の中で生きるあなたの隣は
影の中で生きてきた私にはどうにも生き辛くて
嘘で固めた偶像は簡単に壊れてしまった
運命の人やと思ったの
この人と一緒にいたいって
この人となら幸せになれるかもしれないって
大晴は私と一緒にいて幸せでしたか？
あなたは私にずっと幸せな夢を見せてくれていたのに
醒めても尚あの夢の続きを見たいと願う私を現実は簡単に切り捨てる
諦められなくて
もう一度会えたらって
毎日あなたの夢をみていた
「正門君の結婚式、行くやろ
あの人もきっと来るで」
怪しく笑う黒い悪魔の手を取ったあの日
美月「1目見れるだけでいい
彼が、幸せなら…それでええの」
結婚式の会場には懐かしい高校の顔ぶれの中
直ぐに見つけた
どこにいても周りを照らす太陽のような人
ブーケトスに興味なんてなかったけど
何気なく目で追った先、ストンと胸元に落ちたブーケを抱えたのは
「Aを嫁に貰うんは、俺！」
彼の元で照れたような、怒ってような、でも優しく笑顔をうかべる女の子
緩く巻いてるだけなのに艶のある髪
欲張りすぎてない自然な二重
主張が激しい訳じゃないのについ目で追ってしまうような
「さっすが大晴君。メンクイやな〜」
神様は不平等や
見たらわかる、あれが天然のもので生まれつきやって
痛い思いして、体にメスをいれて
それでも敵わないなんて
美月「…協力して」
「見てるだけでええんちゃうの？」
美月「…私はあの人が欲しい」
私の過去を知っている
敵か味方かも分からない悪魔にも縋る思いで
恭「俺が隣の女どかしたるわ」
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作者名：りな∞
| 作成日時：2023年1月1日 21時
