白昼夢Ⅱ (ページ17)

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〜Aside

正式に付き合い初めたものの、すぐに東京へ向かった彼

「こじけん…とか別にええねんけどさ、飲みいったりとか。

…でも俺おらん間にあんま家とか、あげないで欲しい、」

『うん分かった笑』

「女々しいって思ってるやろ」

『可愛いと思ってるよ』

「…可愛い禁止！」

彼は大型ワンコみたいで可愛いけど

「福本さん早く帰ってこーへんかな、目の保養が」
「かっこいいし優しいもんな〜」

何回みても私だって彼の整った綺麗な顔をかっこいいなあと思う

健「バースデーガール今日のご予定は？」

『横山課長のご好意でＮＯ残業で帰らせて頂きます』

健「その後は愛しの彼ピとお約束でござぁますか」

『…仕事早く切り上げてくるとは言ってたけど、どーなるかねぇ』

健「あいつやって誕生日張り切ってたやろ？」

『絶対帰るって言ってくれてるけど、仕事ばっかりはねぇ』

健「そこは信じたれよ笑」

『当日祝おうって思ってくれてるだけで充分よ。

私、あの人には今日も夢で逢えたし』

本来なら仕事を終えて新幹線に乗ってるはずの時間

連絡はなし

(ほらね)

って思いながら家までの道を歩く

こんなの想定内のくせに

気合い入れて髪巻いてみたり
新しいリップあけてみたり

小島の、「夢で会おうってよく言うけど現実で会いたいよな」って相変わらず深いのか浅いのか分からない名言が浮かぶ

今日の朝もビデオ通話をして

寝起きでぽやぽやしているあなたが眠そうに目をま擦りながら

寝癖をつけたまま

おめでとうってはにかんでくれて

後で直接いうなって細める目も、全部愛おしくて

『…会いたいよ』

「誰に？」

『たいせ…、…え？』

「俺も、会いたかった」

目の前には会いたくて仕方なかった人

「サプライズで会社まで迎えに行こうと思ってたらこじけんからAもう上がるでって言われていっそいできた笑」

前髪を整えながら

『…夢かと思った

会いたすぎて、いつも夢に見てたから』

「夢だけでええの？」

『現実で1番会いたかったに決まってるでしょ！』

おいでって手を広げる彼の元に飛び込めば、ぎゅっと抱きしめて

「A、お誕生日おめでとう。
生まれてきてくれて、出逢ってくれてありがとう

愛してんで」

少し背伸びしたレストランで

彼が恥ずかしそうに顔を赤らめながら

私の指にリングを通す

「絶対その薬指に、もっとええもんはめるから」

って真剣な顔で言うあなたに

私、白昼夢の続きを見てもいいかな？