白昼夢Ⅱ (ページ16)

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東京支社進出のグループ責任者になって

東京と大阪を往復して

大きなプロジェクトやからやりがいはもちろん、忙しいのも事実で

この仕事やり抜けたら、少しでも自分に自信が持てるんやないかって

このプロジェクトは絶対成功させるんやって

美月「大晴が今相手してるの、私のパパやから」

彼女の旧姓の高橋

美月「パパはね、私に負い目があるからなんでも言うこと聞いてくれるの。」

仕事が終わって、美月の元へ通う時間を作って

高級で素敵なレストランで食事をしても

何も満たされなくて

美月「明日は早く来てな、うちで…」

「あ、ごめん。明日だけは…、先約、あって」

ほんまに仕事が押してAの元へ急ぐ中、美月からの着信

「ごめんって、今日はほんまに…」

美月「…たす、けて…っ、助けてっ、大晴」

高校生の時も、ようあったよな

慌てて駆けつけたら仮病やったこと

気付いてて、気付かないふりをしていた

「美月が無事でよかった」って

美月「あっ、大晴！お誕生日おめでとう！」

「体調…は、」

美月「それよりこのボトルあかなくて…」

「ごめん、俺帰る」

美月「…え、なんで？大晴のために美味しいもの沢山取り寄せて

大晴の好きな物、沢山用意したのに…
少しくらい食べてってくれたってええやん」

高級なステーキもフレンチもイタリアンも

小島健おたおめ〜
小島健今頃パーティー真っ最中かな?
小島健A今日のために前から色々仕込み頑張ってたで〜

今日は邪魔せんといたるわ！楽しんでってスタンプと共に送られてきた小島からのLINE

君が俺のためにと用意してくれるご馳走(気持ち)には敵わない

「ごめん、ほんまに。待っててくれてる人おるから」

どこにいても

誰といても

ずっと、分かってたはずやのにな

諦めようとしても諦められなくて

君が笑っててくれるならそれでよかったのに

日付が変わるまで、あと少し

階段を駆け上がって、電気のついてない家を見て察する

鍵のかかったドアを合鍵であけて

真っ暗なままリビングに向かえば、

綺麗に飾られたHappybirthdayのバルーンや装飾

ラップされたご飯

俺が、好きって言うてたのばっか

時計の針はもう17日の始まりを示していて

いつまでも待っててくれるなんて

そんな保証どこにもなかったのに

隣におれるだけでいいなんて、その関係すら壊したのは俺やのに

君じゃなきゃダメやったんや