白昼夢Ⅱ (ページ2)

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うちは家族仲も良くて

いわゆる普通の家庭で、
俺も家族のみんなが好きやったから、笑ってくれるのが嬉しかった

喧嘩したり、怒られたりするといつも泣く妹のご機嫌をとるのはお兄ちゃんである俺の仕事で

学童保育でいつも最後まで残ってる女の子が

おかん達に遊んで貰えなくて拗ねてるような妹の顔に重なって

ただ、いつものように声をかけた

「俺がりな∞を笑わせる！」

面白いことをしたら、

ギャグをしたら、笑ってくれるって

彼女は驚いたような、泣いているような

そんな顔で笑った

Aちゃん家はしんぐるまざー、って

その言葉の意味を本当に理解できるようになったのはもっと後やったけど

無理した笑顔じゃなくて

心から笑って欲しいって

毎日君のもとへ向かった

『あはは！大晴君、面白いな』

笑ってくれるのが嬉しくて

「へへ笑」

君の笑顔が嬉しくて

恋なのか、愛なのか、幼い俺にはそんな名前のついた感情は分からないけど

君が大切だった。

中学生になって

口を開けばお調子者な所は変わらず、

そのくせ、本当は弱虫なとこも変わらへんまま

いつの間にか男子と女子で話すことに少しづつ抵抗が出てくる時期になって

話したいのに、上手く話せない

おっきな輪っかの中に僕と君はいた

誠「Aー、俺の辞書持ったままやろ」

『あ、ごめん』

一個上の誠也君と仲良しなAは

俺といる時とはまたちょっと違う、

ほんまに心開いてるような笑い方をする

みゆ「Aって末澤先輩と付き合ってるん？」

『付き合ってないよ笑家が近所やから仲良いだけ』

耳に全神経を集中させて

ほっと一息ついたところで

「…っ、」

ニヤニヤしてる大吾と目が合う

大「告白せーへんの？大晴」

「何がやし」

大「あの子のことになるとすーぐ無茶するし、めちゃくちゃ気にしてるやん」

「…、無理しちゃうとこ、ちょっとだけ分かるから。あんまそーゆー顔させたくないだけ」

Aは昔からすごく気遣いで

わがまま言わへんし、優しくて

だからあんま言いたいこと言えてへんのちゃうかなって

嫌なこと嫌って言えてないんやないかなって

俺が代わりに、なんて

君の前ではなんだって出来る
何にだってなれる気がすんねん

もっと頼って欲しくて

「そんなんもわからんのー？
どれ、教えたるわ」

勉強だって頑張ったし、

友「大晴また1位やん」

スポーツだってこっそり体鍛えて頑張った

君のスーパーヒーローであるために