繋いだ手

離れたくない ページ45

日高side


あの時出せなかった勇気、踏み出せなかった1歩を踏み出してやっと繋がった俺の想い。


前に進むことができた俺は喜びに包まれる。


太陽みたいに笑う千晃ちゃんが隣にいてくれれば、俺はさらに前へ進むことができるよ。


抱き締めた体を離すと、潤んだ瞳で俺を見上げる千晃ちゃんが愛しくてどうしようもなく、チュッと音を立てて口づけをした。


ほんのりと染まる頬が可愛くて、もっと彼女に触れたい、深く繋がりたいという欲求が、俺の男の部分が騒ぎ出す。


実はここから俺の家近いんだよね。


そういう目的があって連れてきたんじゃなくてたまたまだけど、なんて自分に言い訳をする。


恋人同士になったばかりなのに、家に誘ったりなんかしたら引かれるだろうか…。


でも好きな子に触れたいという欲求は普通の事だし、恥ずかしい事でも何でもないじゃないかと自問自答する。


その欲求はどんどんと俺の中を支配していき


今夜は離れたくないし、もっと触れていたい。


いつもと違う彼女を見てみたい。


断られたら、その時はその時だ。


日「千晃ちゃん、俺今日千晃ちゃんと離れたく
　 ない。
　 もっと一緒にいたいんだ。
　 俺んちここから近いんだけど…もし良かった
　 らうち来ない？」


早鐘を打つ胸に平静を装って告げると、その意味を理解したのか顔を赤らめる。


千「私も…まだ帰りたくない、一緒にいたい。」


耳に届いた瞬間、ドクンと俺の胸がさらに早鐘を打つ。


俺、今日ヤバイかも。


嫌だって言われても止められないかもしれない。


だけど大事にしたいし、大切にしたい気持ちのほうが強い。


繋いだ手をギュッと握りしめると


日「じゃあ行こうか。」


赤らめた顔で微笑んだ千晃ちゃんの手を引いて歩きだし、車に乗ると高まる気持ちを押し殺しながら家へ向けて走り出した。

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