繋いだ手

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実彩子side


ほんとに真司郎はAに甘いというか、独占欲強すぎというか大切すぎて心配で、少しも離れたくないんだろうな。


今日も迎えに来るって言ってるみたいだし、ほんとにスマホとにらめっこしてそうだ。


会社でいつも一緒の2人は本当に幸せそうで嬉しそうで見ていて微笑ましくなる。


そんな仲睦まじい2人にも喧嘩とか悩みとかあるのかな？


まだ恋人同士になって日が浅いしまだかも、そういうのはないかも？と思いつつも聞いてみる。


実「ねぇA、真司郎と喧嘩したり、悩みと
　 かあるの？」


あ「喧嘩は、ないかな。」


喧嘩は、ないかな、と言う事は悩みはあるって事でいいのかな？


実「A何か悩みでもあるの？」


一瞬口を噤むと


あ「…笑わないで聞いてくれる？」


実「笑ったりなんかしないよ？」


そう言うと、何だか恥ずかしそうな困惑したような顔で私と千晃ちゃんを見ると意を決した様に口を開いた。



あ「…真司郎に甘えたいんだけど、甘え方がわか
　 んない///。」


顔を真っ赤に染めたAが呟いた。


その何とも可愛らしい悩みに、隣の千晃ちゃんと顔を見合わせると2人して顔が綻んでしまう。


千「Aさん、なんですかその可愛すぎる
　 悩み。」


実「ほんと真司郎にはもったいない。
　 今からでも真司郎やめて私にしない？」


2人してニヤけながら言ったもんだから、目の前のAは更に顔を赤く染め上げる始末。


あ「もぅ笑わないって言ったのに…。」


少しむくれてみせるAが可愛すぎるんだけど。


だって深刻な悩みかと思ったら、そんな可愛いことで悩んでるなんて思わないじゃない？


実「ごめんごめんAほんと可愛すぎ。
　 真司郎が羨ましいよ。」


千「ほんとですよ。」


千晃ちゃんと2人で、ねー！なんて言い合う。


あ「2人共面白がってる！言うんじゃなかった」


赤くなった顔を両手で覆うAを見て笑顔を浮かべる千晃ちゃんもどこか嬉しそう。


きっとAは真剣に悩んでるんだよね、それでも可愛すぎる悩みだわ。


初々しいなぁなんて私も笑顔になった。

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