繋いだ手

小さな夢 ページ18

真司郎side


バブルリングは知っとったけど実際に生で見たことなかったし、ジンクスがあるって事も知らんかった。


ジンクスでバブルリングを見ると幸せになれるって言うてたけど、おれ今でも充分幸せやで。


こうして恋人同士になれて、隣で笑ってくれてAと一緒におる事ができてめっちゃ幸せ。


でもこうしてAと水族館に来る事がなかったら、見る事はなかったやろうなぁ。


あ「私ね、こうしてバブルリング見るの実は
　 夢だったの。」


隣のAが嬉しそうな顔をして続ける。


あ「まだ恋なんて知らなかった時にTVでバブル
　 リング見て、ジンクス聞いてね、いつかこ
　 うして見れる日がきたらいいなって思って
　 たんだ。
　 笑うかもしれないけど、私の夢の1つだった
　 の。
　 好きな人と一緒にバブルリング見る事がで
　 きたらいいなって。
　 だから今日真司郎とこうして見る事ができ
　 て、夢が叶っちゃった。」


そう言いながら俺を見上げて笑うAはさっきの子供みたいな笑顔と違い、とても綺麗な女性の笑顔で俺の目に映る。


そんな可愛らしい夢を持ってる事も、それが俺と見た事で叶ったと言ってくれたAに愛しさが込み上げた。


真「笑うわけないやん。
　 Aの夢めっちゃ可愛い。
　 夢が1つ叶ってよかったわ。」


ふふ、って笑うAを引き寄せて小さな頭にくちづけを落とす。



真「俺今こうしてAといれてめっちゃ
　 幸せやで。」


あ「私も幸せ。でもこれ以上幸せになっていい
　 のかな？
　 なんだかバチが当たりそう(笑)」


真「バチ当たっても2人なら大丈夫やって。」


あ「ふふ、だね。」


そう言って柔らかく微笑むAがいてくれたら、たとえバチが当たろうとも俺はもっともっと幸せになれる。


真「1つって事は他にも夢あるん？」


あ「んー？あるよ？」


真「どんな夢？」


あ「それはまた叶ったら教えるね？」



悪戯っぽく笑うAの他の夢が何なのか今はまだわからんけど


俺が叶えてあげることができたなら。


そんなAの夢を叶えてあげることが


俺の夢に変わったそんな日。

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