繋いだ手

特別 ページ12

真司郎side



真「そのままでもええのに。」


あ「そういう訳にはいかないよ。」


そう言いながら苦笑いのような困ったような表情をするAは、今ドレッサーに座ってメイクをしとるとこ。


それを俺はじっと後ろから見つめとる。


恥ずかしいから見ないで、なんて言うてるけどお構いなしに見つめる俺。


Aは派手なメイクやなくて、抑えめというかナチュラルな素顔っぽいメイクやから好き。


俺メイク濃い人好きやないからね。


あ「真司郎終わったよ？」


俺の目の前に来て顔を覗き込むA。


素顔を活かしたメイクのAはやっぱり可愛い。


真「ん、可愛い。」


するとにこっと嬉しそうに微笑んだ。


でもそのままでもええねんけどな？


真「Aメイクせんでも可愛いのに。」


あ「それは、あの…。」


少し困ったような気恥ずかしそうな表情をすると


あ「真司郎にもっと可愛いって思われたいか
　 ら///」


少しモジモジしながら答えるAがいじらしくて、愛らしくて。


真「もうほんまA可愛い。
　 でも俺、素顔のAも好きやで。」


どこか幼さを残したあどけないところがめっちゃ可愛い。


Aは元々目鼻立ちはっきりしとるからそのままでも十分やと思っとる。


肌もキメが細かくて、ツルンとしてて綺麗やし、つい触りたくなってまう。


素直な気持ちを伝えると


あ「ありがと///恥ずかしいけど…素顔見せ
　 るのは真司郎にだけだよ？」


それって、特別ってことやんな。


真「それって、俺だけの特別？」


あ「うん、特別。」


はにかんだ笑顔に俺の顔がにやけてしまう。


俺だけに見せてくれる特別なA。


それだけで優越感さえ覚える俺は単純やな。


真「これからも俺だけにその可愛い
　 A見せてな？」


あ「うん、真司郎にだけ見せるね。」


そうやって微笑むAも


素顔のAも


全てが俺だけの特別で


これからもそんなAをずっと見ていたい。

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