できること ページ4
西島side
病院に向かう道すがら、與に掛かってきた電話の声が、隣からもれ聞こえてくる。
【酷い出血】
【ショック状態】
【母子共に危険な状態】
【覚悟しておいて】
並ぶその言葉に、キリキリと胸が締め付けられるようだ。
こんな事、誰が予想できただろう…。
與はあと1ヶ月もすれば、男の子が産まれるんだって、あんなに嬉しそうに話していたのに。
大きくなったら、一緒にキャッチボールするんだって言っていたのに。
息子とAちゃんの取り合いになるかもしれない、なんて憎まれ口たたきながらも
どこか楽しそうにしていたのに…。
電話が終わった與は、スマホをぎゅっと握りしめているけど、その手は小刻みに震えている。
絶望の淵に立たされ、正気を失っているように
見えるその姿は、長い付き合いの中で初めて見る姿。
でも、それも無理もないだろう。
愛する人を、新しい生命を失うかもしれない恐怖に苛まれて、誰が正気でいれるっていうんだ。
今のこの状態で、與に運転なんてできっこない。
前に実彩子の陣痛がきた時に、與に世話になったし、こんな状態のこいつを放っておけなくて
俺が変わりに病院に送っていくことにしたけど。
真っ青な顔をして、俯いている與に何て言葉を掛ければいいのかわからない…。
くそっ…。
俺にできることはないのかっ。
どうすることもできず、やるせない気持ちでハンドルを握っていると
真「……かも、しれん」
俯いている與が、ポツリとこぼした。
西「…ん？」
よく聞き取れなくて、聞き返せば。
與は、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎだす。
真「…ゆいは、こうなることが……
わかっとったんかもしれん」
西「…どういうこと？」
話を聞けば。
今朝初めて幼稚園に行きたくないと言ったこと。
ママとずっと一緒にいたい、と言ったこと。
Aちゃんのそばから離れなかったこと。
真「ゆいは、勘が強い子かもしれんって
言われとってん…」
それを聞いて、思い出す。
まだ2人目の性別がわかってなかった時。
ゆいちゃんがお腹の子は男の子だと言い出して。
検診にいくと、ゆいちゃんの言う通り
男の子であることがわかった、と與が言っていたこと。
真「俺、なんでそのこと忘れとったんやろっ。
俺がそのこと覚えとったら…。
ゆいの言うこと、もっとちゃんとっ……！」
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まりぃ(プロフ) - RUI1117さん» 最後までお付き合い下さり本当にありがとうございました。最終章は私も書きながら胸が痛かったです笑ですが応援して下さり方が支えとなり完結まで書き切ることができました、本当にありがとうございました。また戻ってきますので今後ともよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (
レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - 真央さん» 最後までお付き合い下さり本当にありがとうございました。あたたかいお言葉に涙が出る思いです。何度も挫けそうになりましたが待ってて下さる方がいるのが支えになり完結まで書き切ることができました。本当にありがとうございます。今後もよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - みかもんさん» あたたかいお言葉本当にありがとうございます。そんなふうに言って頂けるなんて涙が出る思いです。拙い私のお話を好きになってくれて本当にありがとうございました。この先も自分らしく言葉を紡いでいけるよう頑張りますのでこれからもよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - Takatakaさん» 嬉しいお言葉本当にありがとうございます、涙が出る思いです。長い物語見届けて頂きありがとうございました。いつになるかわかりませんがまた戻ってきますので今後ともよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - ふみさん» いつもあたたかいお言葉をかけて下さりありがとうございました。挫けそうな時いつも思い出していました。そのお言葉を支えに完結まで書き切ることができました、本当にありがとうございました。また戻ってきますので今後ともよろしくお願い致します(^_^) (2020年1月3日 13時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりぃ
| 作成日時：2019年12月3日 16時
