繋いだ手12

助け合い ページ9

真司郎side


あ「実彩子、しばらくは入院になるんだよね？
　 いつ退院になるの？」


実「1週間は入院だから、えーと…次の土曜日に
　 退院かな？」


西「1週間も離れ離れなんて、俺まじ寂しい。」


実「何いってんの。私は隆弘のほうが心配だわ」


西「俺？俺はなんとかなるっしょ。」


実「なんとかなんないから言ってるんでしょ？
　 朝1人で起きれないじゃん！」


西「んぐ…目覚まし3個くらいかければいける…
　 はず。」


西島相変わらずやなぁ。


朝に弱い西島は大学時代も朝起きられず、講義に遅れて来ることがしばしばあった。


酷いときなんて俺に朝電話で起こせって言うたくせに、電話しても出えへんかったりなんて日常茶飯事。


ほんまこいつ今も変わってへんって相変わらずなやつやな。


まぁ今はすぐ隣やし、朝起こしに行ったるくらいしてやってもええけど。


なんて1人考えてたら、会話を静かに聞いてたAがとんでもない事を言い出す。


あ「ねぇ、よかったら実彩子が退院するまで
　 西島くん、うち、くる？」


真「え？！」


実「それいいじゃん！
　 Aなら安心して隆弘任せられる！」


西「まじいいの？！助かるー！」


ち、ちょっと待ってや、勝手に話進めんといて！


真「朝俺が起こしに行ったるやん！」


あ「ご飯とかどうするの？
　 西島くん作れる？掃除は？洗濯は？
　 1人でできる？」


真「そこは…なんとかなるやろ。なぁ西島？」


西島やって1人暮らししてたんやしそこは遠慮しろよ、と心の中で呟きながら目線を投げかけてみるけど…。


西「西子むり〜。1人でできなーい。」


…はいでた。


真「お前な…。」


あ「真司郎、私達が今住んでるところのコンセプ
　 トは？」


突然のAからの質問に、コンセプトを思い出す。


真「…助け合い。」


あ「ならいいよね？」


にっこり笑顔を向けられたらもう何も言い返せないやん。


真「はい…。」


西「Aちゃんまじありがと！」


実「A迷惑かけるかもだけどよろしくね？朝は蹴飛ばして起こしてくれたらいいから。」


あ「わかった笑」


もー、なんでやねん！


Aとの貴重な時間絶対邪魔されるやん。


実「真司郎、1週間の我慢だから笑」


思ってた事が顔に出てたらしく宇野ちゃんに言われてしまった俺。


これから1週間とはいえ西島との共同生活と、俺の我慢が始まることにがっくりと1人肩を落としたのだった。

俺だろ→←こらえ切れない

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