こらえ切れない ページ8
西島side
陣痛に苦しむ実彩子に、俺はただ寄り添うことしかできなくて、男はこういう時なんて無力なんだろうと思った。
愛する人が目の前で苦しんでいるのに変わってやる事もできず、ただ俺は少しでもその痛みが和らぐように手を差し伸べて、声をかけてあげることしかできなかったんだ。
長い陣痛を乗り越えて新しい生命をこの世の中に送り出してくれた実彩子。
無事に元気な男の子が産まれたその瞬間、言いようのない感情が込上げて来て
堪えきれずに涙がこぼれた。
西「しょうがねえじゃん…。
感動して堪えられなかったんだよ。」
その時の事を思い出してまた涙ぐむ。
そんな俺を見て、呆れたような顔をしてる実彩子だけれど、その瞳にもうっすら光るもの。
実「隆弘、長い時間支えてくれてありがとう。」
何もできなかったのにそんな事言われたら、余計泣いちゃうじゃん。
それに感謝を伝えるのは俺のほう。
西「実彩子、こっちこそありがとう。
俺、実彩子と出逢えてほんとに幸せだよ。
これからも俺が2人の事守っていくからな。」
実「うん。」
西「実彩子、愛してるよ。」
実「隆弘のばか…。私もだよ。」
2人で顔を見合わせて微笑んでいると
真「なぁ…俺ら何しに来たん?」
あ「見せつけられちゃったね笑」
聞こえてきた会話にはっとする。
あ「実彩子、愛されてるね。」
実「あ、あの、これはその…。
もう隆弘のばか!///」
西「いってえ!!」
バシッと肩を叩かれて、2人がいた事を思い出して恥ずかしくなった俺。
西「おい!見んなよ!!」
真「お前らが見せつけたんやろ!」
いつものやり取りをする俺達を見て笑ってる2人。
しばらく言い合いをしたあと、俺は與に伝えたいことがある。
西「與、お前もその時は立ち会ってAちゃんの事支えてやれよ。」
真「そんなん言われんでも立ち会うつもりやし
なんなら、育休とってもええかなって思って
るし。」
あ「え、そうなの?そんな事考えてたの?!」
西「育休いいじゃん、俺も取ろっかな。」
真「3ヶ月前に申請せなあかんから今からじゃ無理
やで。」
西「はぁ?お前なんでもっと早く言わねんだよ!」
真「聞かれてないし、知らんお前が悪いんやろ」
ったくなんで言ってくんねーんだよ、與のばか!
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まりぃ(プロフ) - K- Kさん» いつもありがとうございます!そのお言葉が何よりも嬉しいです(TдT)次の章では幸せなお話を書いていけたらと思ってますので、これからもよろしくお願い致します(*^_^*) (2019年3月12日 12時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
K- K - 本当にこの作品大好きです!これからも二人がずっと幸せでいてほしいですね。これからも応援してます!楽しみにしてます! (2019年3月9日 10時) (レス) id: 7746b24c2c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - 全然楽しんでストーリー読んでいるのでまりぃさん気にしないでくださいよ!新しい章のストーリーがどんな始まりだか今からどんなのかまだ私には想像つきません! (2019年3月9日 3時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - K- Kさん» 身を持ってヒロインさんを守る姿っていいですよね(*^_^*)少しでも楽しんで頂けてたら幸いです(*^_^*) (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - めぐさん» 醜い嫉妬に突き動かされる姿が書きたくてこういうお話になりました。ここまでずっと優しくて人思いだったヒロインさんが見せた初めての姿いかがだったでしょうか…。楽しんで頂けてたら幸いです。 (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2019年1月15日 16時