笑顔 ページ26
真司郎side
肉屋を後にしたあとも買い物は続く。
【ここのお豆腐が美味しいよ】
【お漬物はここ】
【あそこのお魚屋さんはいつも新鮮なお魚が揃っ
てるの】
毎日のように商店街に買い物に来ているらしいAは色々と案内をしてくれる。
あ「おばちゃんこんにちは。」
「あらいらっしゃいAちゃん。
今日は甘くて美味しいトマト入ってるよ。」
あ「ほんと?じゃあトマトとキャベツと〜…」
八百屋にきたAは、店先に出ていた40代くらいの人と楽しそうに会話しながら野菜を選んでいて、いつもこんなふうにして買い物してるんやな、と知る。
「はいりんごとみかんおまけね。
いつもありがとうねAちゃん。」
あ「こちらこそいつもありがとうございます。
また来ますね。」
挨拶を交わすとまた歩き出す。
真「A袋貸して、俺持つわ。」
あ「ありがとう真司郎。」
その後も商店街を進んでいくと、色んな店先の人から次々と声をかけられているA。
そのたびにお店へと立ち寄ってはおすすめ品を試食させてもらったり、会話をしたりととても楽しそう。
俺はAが仕事を辞めるってなった時、ほんまは少し不安だった。
同じ都内とはいっても知らん土地に住むことになって、知り合いも宇野ちゃん達だけやし心細かったり、馴染めないんじゃないか、なんてどこかで思ってた。
やけどそれは俺の思い過ごしやったみたい。
こうして色んな人から名前を覚えてもらって声をかけられているAを見ていると、その土地の人達としっかり慣れ親しんでいるのがわかる。
店先の人も嬉しそうな笑顔をしていて、
というか、どちらかというとAの笑顔にみんながつられるように笑顔になっていく、という感じに俺には見えた。
その様子を見てAの笑顔って人を惹きつけるんやなと改めて思う。
そんな事を思いながら歩いていると鯛焼き屋の前を通りかかった。
あ「あ、ここの鯛焼き屋さんすっごく美味しいん
だよ。あんこがね、たっぷり入ってるの。」
真「そうなんや。
てか、俺食べたことないんやけど?」
あ「あれ、そうだったっけ。」
なんてちょっととぼけ顔。
真「へぇー俺の知らんとこでこんなん食べてるん
やー。ふーん、ええなー。」
ちょっとだけ恨めしく言ってみるとちらりと時計を見たAは
あ「もうすぐ15時になるしおやつに買って帰ろっか。」
と言ってお店に入っていった。
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まりぃ(プロフ) - K- Kさん» いつもありがとうございます!そのお言葉が何よりも嬉しいです(TдT)次の章では幸せなお話を書いていけたらと思ってますので、これからもよろしくお願い致します(*^_^*) (2019年3月12日 12時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
K- K - 本当にこの作品大好きです!これからも二人がずっと幸せでいてほしいですね。これからも応援してます!楽しみにしてます! (2019年3月9日 10時) (レス) id: 7746b24c2c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ - 全然楽しんでストーリー読んでいるのでまりぃさん気にしないでくださいよ!新しい章のストーリーがどんな始まりだか今からどんなのかまだ私には想像つきません! (2019年3月9日 3時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - K- Kさん» 身を持ってヒロインさんを守る姿っていいですよね(*^_^*)少しでも楽しんで頂けてたら幸いです(*^_^*) (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - めぐさん» 醜い嫉妬に突き動かされる姿が書きたくてこういうお話になりました。ここまでずっと優しくて人思いだったヒロインさんが見せた初めての姿いかがだったでしょうか…。楽しんで頂けてたら幸いです。 (2019年3月8日 22時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2019年1月15日 16時