繋いだ手12

・ ページ23

実彩子side


あ「拓海くん、素敵な名前。
　 たっくんの初めてのプレゼントだね。」


Aの言う通り隆弘と私から拓海へ初めてのプレゼントの名前。


ありふれた名前だとしてもそこに込めた願いは人それぞれ違うから、それは世界でただ1つ。


あ「たっくん、どんな子になるかな？
　 実彩子はどんな子に育ってほしい？」


実「そうだなぁ…。
　 名前に込めた願いみたいな子になってくれた
　 らもちろん嬉しいけど、心の優しい子になっ
　 てくれたらそれでいいかな。」


欲を言うならAみたいな子になってほしいとも思う。


性別は違うけど優しくて人思いで、笑顔の素敵な子に。


あ「きっとイケメンになるよたっくん。
　 だって実彩子と西島くんの子だもん。」


真「西島に似とるから、ねぼすけになるんちゃう
　 ん。」


実「真司郎、それあながち間違ってないよ。
　 この子すっごくよく寝るの笑」


西「與、お前失礼なやつだな。」


真「言うけどお前全然起きひんかったやないか。
　 毎日起こしてやったの感謝してほしいぐらい
　 やわ。」


西「はいはい、感謝してますー」


真「心がこもってへん！」


ふと隣を見ると、会話を聞いて可笑しそうに笑ったかと思えば拓海を愛おしそうな瞳で見つめているA。


入院中も毎日顔を出してくれたAは嬉しそうに顔を綻ばしていた。


もちろんそれは輝くんに対しても同じで。


他人の子にさえこんな顔をするのに、もし自分の子ができたらもっとデレデレになるんだろうなぁ。


Aと真司郎は結婚してもうすぐ半年。
2人は子供の事とかもう考えているのかな。


実「ねぇA、余計なお世話だとは思うけど子供の事とか考えてるの？」


談笑しているみんなに聞こえないように、小さな声で問いかけた。


あ「んー…さっき輝くんにも言ったんだけど、私も
　 まだママになる準備中かな。」


実「そうなんだ。」


あ「真司郎はどう思ってるのかわかんないけ
　 どね。でももう少し先かな？
　 こんなに可愛い輝くんとたっくんいるし、
　 それに…。」


実「それに？」


あ「…もう少しだけ真司郎独占したい///」


実「そういう事ね、きっとそれ真司郎も同じだと
　 思う笑」


あ「でも実彩子、もしもの時は相談させてね。」


実「もちろん、いつでも待ってるからね。」


その時は今度は私が力になってあげる番。


Aから相談されるその時を心待ちにまっていよう。

休日→←込めた願い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す